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飲食業界におけるエアフライヤーとは?

飲食の分野におけるエアフライヤー(えあふらいやー、Air Fryer、Friteuse a air)は、油をほとんど使わずに食材を「揚げたように」調理できる調理器具のことを指します。高温の熱風を循環させることで、表面をカリッと仕上げながら、内部はジューシーな状態に保つ技術が特徴です。

この調理法は、従来の油で揚げるフライ調理と比較して健康的で安全かつ効率的であることから、家庭用だけでなく、業務用厨房機器としても注目を集めています。飲食業界においては、揚げ油コストの削減、オペレーションの簡素化、ヘルシーメニューの拡充といった点で多大な利点があります。

英語表記は「Air Fryer」、仏語では「Friteuse a air」または「Cuiseur a air chaud」と呼ばれ、欧米を中心に広く普及している調理機器です。日本においても近年その知名度が上昇し、飲食業界の省エネ・健康志向を背景に導入が進んでいます。



エアフライヤーの起源と技術的背景

エアフライヤーは2000年代後半、オランダの家電メーカー「Philips(フィリップス)」が開発した調理器具として登場しました。オリジナルモデルは「Rapid Air Technology」と呼ばれる熱風循環技術を採用し、少量の油またはノンオイルで揚げ物風の食感を実現できることで大きな話題となりました。

この技術の要は、コンベクション方式(対流熱)を利用し、加熱した空気を高速で循環させることです。これにより、油で揚げたような「外はカリッ、中はふっくら」の食感が生まれます。また、調理中に発生する余分な脂は底に落ちる構造になっており、カロリーオフかつヘルシーな仕上がりが得られます。

日本国内でも2010年代初頭から家庭向け製品が普及しはじめ、コロナ禍以降の内食需要の高まりとともに一般家庭・飲食店双方で注目を集めています。



飲食業界における活用事例とメリット

エアフライヤーはその利便性と多機能性から、飲食業界において以下のような場面で導入が進んでいます:

  • フライヤーレス店舗の構築:油を多用しないため、換気設備の簡素化や作業環境の清潔化が可能。
  • セントラルキッチンとの連携:事前加工済み食品の最終加熱工程として導入され、時短と均質化を実現。
  • ヘルシーメニューの提供:ベジタブルチップス、ノンフライ唐揚げなど健康志向メニューの調理に活躍。
  • 省スペース調理:キッチンが限られたフードトラックや小規模カフェなどで、フライヤー代替として使用。

また、操作が簡単で火を使わず安全性が高いため、新人スタッフや非調理専門者でも扱いやすいという利点もあります。これにより人手不足対策にも一役買っており、厨房の効率化労働環境の改善にも寄与しています。



注意点と今後の展望

一方で、エアフライヤーの導入には注意すべき点も存在します。まず、従来の油調理とは若干異なる風味や食感になるため、メニューの再構築試作・試食の検証が重要です。特に衣付き食品においては、パン粉の種類や下味の工夫が仕上がりを大きく左右します。

また、大量調理を要するファミリーレストランやフードコートなどでは、一般的なエアフライヤーでは能力が不足する可能性があるため、業務用ハイスペックモデルの導入が求められます。

それでも、飲食業界全体が健康志向・省エネ・人手不足という課題に向き合う中で、エアフライヤーの需要は今後さらに高まると予想されます。特に、サステナブルな厨房環境を実現する手段として、注目が集まっています。



まとめ

エアフライヤーは、油を使わずに揚げ物調理を可能にする革新的な調理機器として、飲食業界においても幅広く活用されています。

その導入は、ヘルシーメニューの提供だけでなく、厨房の省スペース化やオペレーションの効率化、人材活用の柔軟化といった多方面にメリットをもたらします。今後はさらに進化した業務用モデルの登場と、エアフライヤーに適した新レシピの開発が進み、飲食業界の可能性を広げていくことでしょう。

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