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販促・マーケティングにおけるデジタルアクセシビリティとは?

販促・マーケティングにおけるデジタルアクセシビリティ(でじたるあくせしびりてぃ、Digital Accessibility / Accessibilité Numérique)とは、すべての人が障害の有無に関わらず、デジタルコンテンツやサービスを問題なく利用できるようにする取り組みを指します。ウェブサイトやアプリケーションの設計、広告コンテンツの配信において、アクセシビリティ基準を満たすことが、より多くのユーザーにリーチし、社会的責任を果たすために重要です。


デジタルアクセシビリティの歴史と言葉の由来

「アクセシビリティ(accessibility)」は「利用可能性」や「アクセスしやすさ」を意味し、デジタル分野では障害を持つ人々がテクノロジーにアクセスできることを指します。この概念は1990年代、インターネットの普及とともに注目され始めました。

特に1999年にW3C(World Wide Web Consortium)が策定した「Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)」の登場は、デジタルアクセシビリティの基盤を確立しました。以降、多くの国で法規制やガイドラインが整備され、企業に対してアクセシビリティを考慮したウェブサイトやサービス提供が求められるようになりました。

デジタルアクセシビリティの現在の使われ方

現在、デジタルアクセシビリティは以下のような場面で重視されています:

  • ウェブデザイン:色覚障害を持つ人でも見やすい配色、スクリーンリーダーに対応した構造。
  • 広告配信:字幕付き動画広告や、音声説明を含むコンテンツ。
  • アプリ開発:タッチスクリーンの使いやすさや音声コマンド対応。
  • SEOと連携:検索エンジン最適化(SEO)とアクセシビリティ基準の共通点を活用し、視認性を向上。

例えば、Eコマースサイトでは、視覚障害を持つユーザーのために商品画像に適切な代替テキストを追加することで、すべての顧客がスムーズに購入できる環境を提供しています。また、マーケティング動画には字幕を追加し、聴覚障害を持つユーザーに情報を届ける施策も一般的です。

デジタルアクセシビリティの仕組みと実現方法

デジタルアクセシビリティを実現するための主なプロセスは以下の通りです:

  1. 現状分析:ウェブサイトやアプリケーションがWCAG基準にどの程度準拠しているかを診断。
  2. 改善計画の策定:発見された課題に基づき、優先順位をつけて改善計画を立案。
  3. 技術的対応:コードの修正やデザイン変更を実施し、スクリーンリーダー対応やキーボード操作の最適化を行う。
  4. テストとユーザー評価:アクセシビリティテストを行い、実際のユーザーからフィードバックを収集。
  5. 継続的なメンテナンス:新しいコンテンツや機能追加の際もアクセシビリティ基準を守る。

これらのプロセスを経て、すべてのユーザーにとって利用しやすいデジタル体験を提供します。例えば、オンライン学習プラットフォームが字幕付き動画や操作しやすいUI(ユーザーインターフェース)を導入することで、幅広い受講者が利用可能になります。

デジタルアクセシビリティのメリットと課題

デジタルアクセシビリティの主なメリットは以下の通りです:

  • ユーザー層の拡大:障害を持つユーザーを含むすべての人が利用できる環境を提供。
  • ブランドイメージの向上:インクルーシブな姿勢が社会的責任を果たす企業としての評価を高める。
  • 法規制への対応:アクセシビリティ関連の法規制を遵守することで、法的リスクを回避。

一方で、以下の課題も存在します:

  • 導入コスト:改善のための技術やリソース投入が必要。
  • 専門知識の不足:アクセシビリティ基準を理解し、実装できる人材が限られている。
  • 継続的な対応の必要性:コンテンツ更新ごとに基準を適用し続ける必要がある。

デジタルアクセシビリティの未来

デジタルアクセシビリティは、AIや機械学習の活用によりさらに進化すると予測されています。自動字幕生成やリアルタイムの音声翻訳など、アクセシビリティ向上を支援するツールが増加しています。

また、社会全体の多様性への理解が深まる中で、アクセシビリティは単なる「対応」から「必須の標準」へと進化しています。これにより、企業が持続可能なマーケティング活動を展開するための重要な要素となるでしょう。


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