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販促・マーケティングにおけるクロスリファラルとは?

販促・マーケティングにおけるクロスリファラル(くろすりふぁらる、Cross Referral / Référencement Croisé)とは、異なる企業やサービス間で相互に顧客を紹介し合うマーケティング手法を指します。この手法は、補完関係にある企業同士が連携して、双方の顧客基盤を活用し、新規顧客を効率的に獲得することを目的とします。クロスリファラルは、特にコスト効率が高く、信頼性のある顧客紹介が可能な施策として広く採用されています。


クロスリファラルの歴史と背景

クロスリファラルの概念は、商取引が盛んになった19世紀末から20世紀初頭にかけて始まりました。当時、小規模な店舗や企業が互いに顧客を紹介し合う形でビジネスを広げるケースが見られました。例えば、家具店が内装業者を紹介するような形が一般的でした。

20世紀後半になると、クロスリファラルは大規模なマーケティング手法として発展しました。特に、航空会社やホテルチェーン間の提携(例:マイレージプログラムと宿泊特典の共有)など、補完的なサービスを提供する企業同士の協力が活発化しました。この時期、クロスリファラルは企業間のシナジー効果を高める戦略として注目を集めました。

現在では、デジタル化の進展により、オンラインプラットフォームやSNSを活用したクロスリファラルが一般的です。特に、Eコマースやサブスクリプションビジネスでは、クーポンや割引コードを使った相互紹介が効果的に行われています。また、AIやデータ分析を活用することで、顧客に最適な提携先を自動的に提案する仕組みも進化しています。

クロスリファラルの目的とメリット

クロスリファラルの目的は、企業間の連携を活用して、新規顧客の獲得やブランド認知度の向上を図ることです。この手法には以下のようなメリットがあります:

  • 新規顧客の効率的な獲得:既存の顧客基盤を活用するため、高い信頼性とコンバージョン率を実現します。
  • コスト削減:従来の広告手法よりも低コストで新規顧客を獲得できます。
  • ブランド価値の向上:提携先のブランド力を活用することで、自社の信頼性を向上させます。
  • 顧客体験の向上:補完的なサービスを提供することで、顧客満足度を高めます。

クロスリファラルの具体的な手法と活用例

クロスリファラルには以下のような手法があります:

  • 割引コードの共有:提携企業同士が、相互の顧客に特典付きの割引コードを提供。
  • バンドルサービス:関連性のある商品やサービスをセットで提供し、双方の企業の売上を向上。
  • オンラインプラットフォームの連携:Eコマースサイト間でユーザーを相互に誘導。
  • 推薦メールキャンペーン:提携企業が自社の顧客にパートナー企業のサービスを推薦。
  • SNSキャンペーン:共同でSNS上のキャンペーンを実施し、フォロワーを共有。

例えば、旅行代理店と保険会社が提携し、旅行プランを購入した顧客に旅行保険を特別価格で提供するケースがあります。また、オンライン教育プラットフォームが、書籍販売サイトと提携して、学習者に関連書籍の割引クーポンを提供することで、相互に顧客基盤を拡大することができます。

クロスリファラルの課題と未来

クロスリファラルにはいくつかの課題があります。まず、提携企業間で顧客データをどのように共有し、利用するかに関して、プライバシー保護や規制に注意する必要があります。また、提携先とのブランド価値やターゲット層の不一致が発生した場合、顧客に悪影響を与える可能性があります。

未来においては、AIや機械学習を活用した顧客データの分析により、より適切な提携先の選定が可能になると期待されています。また、ブロックチェーン技術を導入することで、データ共有の透明性やセキュリティが向上し、信頼性の高いクロスリファラルが実現するでしょう。さらに、メタバースやAR(拡張現実)を活用した新しい形のクロスリファラルが登場し、顧客体験を強化する可能性もあります。


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