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広告業界におけるGRP(延べ視聴率)とは?

広告業界におけるGRP(延べ視聴率)(じーあーるぴー、Gross Rating Point / Point Brut de Rating)とは、広告キャンペーンの到達度を示す指標で、広告の視聴率(Rating)と露出頻度(Frequency)の掛け合わせによって計算されます。GRPは、広告がターゲットとなるオーディエンスにどれだけの影響を与えたかを定量的に評価するために使用され、メディアプランニングや広告効果の測定において重要な役割を果たします。


GRPの歴史と言葉の由来

「GRP」という概念は、20世紀中頃にテレビ広告が急速に普及した際に登場しました。当時、広告主はテレビ番組の視聴率を基に、どれだけの視聴者に広告が届いたかを知る必要がありました。これを評価するために開発されたのがGRPです。「Gross(総計)」は、視聴率が累積的に計算されることを意味し、「Rating Point」は特定の番組や広告の視聴率を示します。

GRPは、主にテレビ広告の効果測定に使用されてきましたが、21世紀に入り、デジタル広告が普及するにつれて、その適用範囲はオンライン広告やクロスメディアキャンペーンにも広がっています。現在では、インプレッションやデジタル動画の視聴回数を基に計算する場合もあり、従来のテレビ視聴率にとどまらない広範な指標となっています。

現在のGRPの使われ方

GRPは、広告キャンペーンの規模や効果を示す基本的な指標として、以下のような場面で使用されています:

  • メディアプランニング:広告主がキャンペーンのターゲット到達を最大化するために、広告枠を最適化する際に活用。
  • 広告効果測定:広告がどれだけの視聴者にリーチしたか、またその頻度を評価。
  • 予算配分:複数のメディアチャネル間で、効果的な予算配分を行う基準として使用。
  • クロスメディアキャンペーン:テレビ、ラジオ、デジタル広告など、異なるメディアでのGRPを統合し、総合的な到達度を分析。

たとえば、ある企業が新製品のプロモーションを行う際、テレビ広告を100GRP、オンライン広告を50GRP設定することで、ターゲット層への到達を計画します。この合計150GRPは、広告キャンペーン全体のリーチと頻度を示す指標となります。

GRPのメリット

GRPを活用することで得られる主なメリットは次の通りです:

  • 簡便な計算と理解:視聴率と頻度を掛け合わせるだけで、広告到達度を定量化できます。
  • 比較の容易さ:異なるメディアやキャンペーン間でのパフォーマンスを比較できます。
  • 包括的な測定:単一メディアだけでなく、複数のチャネルを統合した評価が可能です。

GRPの課題

一方で、GRPには以下のような課題も存在します:

  • 質的要素の欠如:リーチした視聴者の質や、広告が与えた影響を直接測定することはできません。
  • 過剰リーチのリスク:同じ視聴者に繰り返し広告が表示されることで、予算の無駄が生じる可能性があります。
  • デジタル広告との整合性:インプレッションやクリック数を基にしたデジタル指標とは異なるため、一部の広告主にとっては馴染みにくい場合があります。

GRPの未来

GRPの未来は、デジタル技術の進化によるさらなる統合と改善が期待されています。特に、テレビ広告とデジタル広告の融合が進む中で、「アドレーティング」や「トータルGRP」といった新しい指標が登場しています。これにより、ターゲットオーディエンスにリーチした正確な人数や質的な要素を加味した評価が可能となるでしょう。

また、AIやデータ分析技術の発展により、広告キャンペーンのリアルタイム最適化が進むことで、より精密で効果的なメディアプランニングが実現されると考えられます。このように、GRPは広告業界において依然として重要な指標でありながら、技術革新に伴い進化を続けていくでしょう。


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