【PBとは？】広告用語集

広告業界におけるPBとは？

広告業界におけるPB（ぴーびー、Private Brand / Marque Privée）とは、小売業者や流通業者が自社の名前で販売する商品やブランドを指します。これらの商品は一般的にコストパフォーマンスを重視して開発され、低価格で提供されることが特徴です。PBは、NB（ナショナルブランド）とは異なり、小売業者が主導する広告戦略やプロモーションが重要な役割を果たします。近年では品質の向上が進み、消費者からの支持を集めています。

PB（プライベートブランド）の歴史と言葉の由来

PB（プライベートブランド）の起源は19世紀末にさかのぼります。欧米の小売業者が、他のメーカーに依存しない独自商品を販売することで、競争力を高める戦略として生まれました。特に第二次世界大戦後、生活必需品に対する需要が高まる中で、コストを抑えたPB商品が普及し始めました。

日本におけるPBの登場は1970年代と言われています。当時の流通業界では、大手スーパーがNBに依存せず、消費者ニーズに応える商品を自ら企画・販売する動きが進みました。「プライベートブランド」という言葉は英語のPrivate Brandに由来し、流通業者が独自に展開する商品を表しています。

PBの特徴と広告戦略

PBの特徴は以下の通りです：

コストパフォーマンスの重視：中間マージンを削減し、競争力のある価格で提供。
限定的な流通：特定の小売店やチェーン店でのみ購入可能。
消費者ニーズに応じた商品開発：特定の市場ニーズに迅速に対応。
広告戦略の独自性：店頭プロモーションやローカルな広告展開が主流。

広告戦略において、PBは大規模なテレビ広告よりも、店内ディスプレイやデジタルクーポンの配布を活用するケースが多いです。特にオンライン広告では、消費者の購買履歴を活用してターゲティングを行い、効率的にリーチしています。

PBとNBの違い

PBはNB（ナショナルブランド）と明確に異なる特性を持ちます。主な違いを以下にまとめます：

ブランド所有者：PBは小売業者がブランドの所有者であり、NBはメーカーが所有者です。
広告規模：PBは限定的な広告展開を行う一方、NBは全国規模のキャンペーンを展開します。
価格設定：PBは低価格を強調し、NBはブランド価値を反映した価格を設定します。
流通範囲：PBは特定の小売店でしか入手できないのに対し、NBは全国的に流通しています。

これらの違いを踏まえ、広告業界ではPBとNBのそれぞれに最適化されたプロモーション戦略が求められます。

現在のPBの使われ方と市場での役割

現在、PBは特定の価格志向の消費者にとどまらず、幅広い層から支持を得ています。その理由の一つは、品質の向上にあります。かつては「安価だが品質が低い」というイメージがあったPB商品ですが、近年では品質がNB商品と同等、あるいはそれ以上のケースも増えています。

広告の面では、PBはデジタルマーケティングやSNSを積極的に活用しています。特に若年層に向けて、インフルエンサーとのコラボレーションや店舗アプリを通じたプロモーションが行われています。さらに、サステナブル商品やオーガニック素材を活用したPB商品も注目され、環境意識の高い消費者へのアピールが進んでいます。