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広告業界におけるコーポレート・アイデンティティ(CI)とは?

広告業界におけるコーポレート・アイデンティティ(しーあい、Corporate Identity / Identité Corporative)とは、企業のブランドイメージや理念、価値観を視覚的および言語的に表現したものを指します。ロゴ、カラー、フォント、スローガンなどを統一することで、消費者やステークホルダーに企業の個性を伝え、一貫したメッセージを届ける役割を果たします。広告戦略の基盤として、ブランド認知と信頼構築において重要な位置づけです。


コーポレート・アイデンティティの歴史と言葉の由来

コーポレート・アイデンティティの概念は、20世紀初頭にアメリカで誕生しました。企業が急成長する中で、消費者に対する一貫性のあるメッセージが重要視され始めたことが背景にあります。特に、1950年代から60年代にかけて、多国籍企業がグローバル市場に進出する中で、ロゴやデザインを統一したビジュアルブランディングが広まりました。

「Corporate Identity」という言葉は、企業(Corporate)の「個性」や「識別」(Identity)を意味します。この手法は、単なるデザインの統一ではなく、企業の理念や価値観を伝える総合的な戦略として発展しました。日本では1980年代に「CI計画」として導入が進み、多くの企業がブランド価値を高めるための取り組みを開始しました。

現在の広告業界におけるコーポレート・アイデンティティの使われ方

コーポレート・アイデンティティは、以下のような形で広告業界で活用されています:

  • ロゴとカラーの統一:すべての広告素材に企業ロゴや指定カラーを使用し、一貫性を確保。
  • ビジュアルガイドラインの策定:フォントやデザイン要素を規定し、広告制作における統一感を維持。
  • スローガンやメッセージの統合:広告キャンペーン全体で一貫した言語的表現を使用し、ブランド価値を強調。
  • 企業文化の反映:広告やプロモーション活動に企業の理念やビジョンを組み込む。

例えば、グローバル展開している飲料ブランドが、各国で同じロゴやパッケージデザインを採用し、広告でも一貫したスローガンを使用することで、統一感のあるブランドイメージを構築しています。また、サステナビリティに注力する企業は、広告の中でその理念を強調し、企業の価値観を消費者に伝えています。

コーポレート・アイデンティティのメリットと課題

コーポレート・アイデンティティの主なメリットは以下の通りです:

  • ブランド認知の向上:一貫性のあるデザインとメッセージが消費者の記憶に残りやすい。
  • 信頼感の構築:統一された企業イメージが、消費者やステークホルダーの信頼を強化。
  • 競合との差別化:独自性のあるデザインやメッセージが、他社との違いを明確化。

一方で、以下の課題も存在します:

  • 導入コスト:ロゴデザインの変更やガイドライン作成には多額の費用がかかる。
  • 一貫性の維持:複数のチャネルで統一性を保つためには継続的な管理が必要。
  • 市場ごとの適応:グローバル市場での展開時に、文化や消費者の嗜好に応じた調整が求められる。

広告業界におけるコーポレート・アイデンティティの未来

コーポレート・アイデンティティは、今後も広告業界における基盤的な戦略として進化し続けると考えられます。特に、デジタル化の進展により、オンライン広告やSNSキャンペーンでの一貫性がますます重要となっています。

また、サステナビリティや社会的責任が消費者の関心を集める中で、企業理念を強調したコーポレート・アイデンティティが、ブランド価値を高める重要な要素となるでしょう。AIを活用したデザインの最適化や、データ分析による消費者との共感を高める施策が期待されています。コーポレート・アイデンティティは、企業と消費者をつなぐ重要な役割を果たし続けるでしょう。


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