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広告業界におけるプレスキットとは?

広告業界におけるプレスキット(ぷれすきっと、Press Kit / Dossier de Presse)とは、企業やブランドがメディアに向けて提供する情報セットのことを指します。製品やサービス、イベントに関する情報を整理し、記者やメディア関係者が記事やニュースを作成しやすくするための資料として提供されます。通常、会社概要、製品情報、写真素材、プレスリリース、ロゴデータなどが含まれます。メディアの注目を引き、正確な情報発信をサポートする重要なツールです。


プレスキットの歴史と言葉の由来

「プレスキット(press kit)」は、新聞や雑誌などの報道機関(プレス)向けに提供される「キット(セット)」として始まりました。20世紀初頭、企業や映画スタジオがメディアに対して効率的に情報を伝えるために使用し始めたのが起源です。当時は紙媒体が主流で、パンフレットや写真、記事サンプルをファイルにまとめた形式が一般的でした。

特に映画業界では、新作映画の宣伝にあたり、キャストやストーリー概要、撮影現場の写真を含むプレスキットが積極的に使用されました。デジタル化が進む中で、プレスキットもオンライン形式へと進化し、PDFやクラウドストレージを介して配布されるようになりました。現在では、高解像度画像や動画、リンク形式の資料が含まれるデジタルプレスキット(EPK:Electronic Press Kit)が主流です。

プレスキットの現在の使われ方

プレスキットは広告業界で以下のような場面で活用されています:

  • 製品やサービスの発表:新商品の発売時に、詳細情報や写真素材を提供。
  • イベントプロモーション:展示会や発表会でメディアに配布し、取材を促進。
  • ブランド紹介:企業やブランドの沿革、理念、ロゴデータをセットにして提供。
  • 映画・エンタメ業界での活用:映画やアルバムリリースの宣伝に使用。

例えば、テクノロジー企業が新しいガジェットを発表する際、仕様書、製品写真、使用イメージ、プレスリリースを含むプレスキットをメディアに配布します。この情報を基に、記者は製品レビューやニュース記事を作成します。また、ファッション業界では、コレクション発表時にブランドストーリーやキャンペーン写真を含むキットが利用されます。

プレスキットのメリットと効果

プレスキットを活用することで、以下のようなメリットが得られます:

  • 情報の一貫性:正確で統一された情報を提供することで、誤報や混乱を防ぐ。
  • メディア対応の効率化:記者や編集者が記事を書く際に必要な資料をすべて揃えることで手間を軽減。
  • ブランドの認知度向上:プロフェッショナルな資料がブランドの信頼性を高める。
  • メディア露出の増加:取材を円滑に進めることで、露出機会を増やす。

例えば、自動車メーカーが新モデルを発表する際に、仕様、写真、試乗イベントの詳細を含むプレスキットを用意することで、主要な自動車メディアが正確で充実した記事を作成しやすくなります。これにより、短期間で広範囲に情報を拡散できます。

プレスキットの課題

一方で、プレスキットには以下のような課題もあります:

  • コンテンツの更新:古い情報が含まれると、信頼性を損なう可能性。
  • コストと時間の負担:高品質な資料を用意するためにリソースが必要。
  • デジタル形式の最適化:デバイスやプラットフォームごとに適切なフォーマットが求められる。

例えば、頻繁に内容が変わる製品のプレスキットを維持するには、迅速かつ正確な更新作業が必要です。また、メディア側のフォーマット要件に対応できない場合、資料が効果的に利用されないリスクもあります。

プレスキットの未来

プレスキットは、今後もデジタル技術の進化とともに変化すると予想されます。特に、インタラクティブなデジタル資料や、AR/VR技術を活用した体験型プレスキットが普及する可能性があります。また、AIを活用した自動更新機能や、配布後の利用状況をトラッキングする機能が加わることで、さらなる効率化が期待されます。

さらに、環境意識の高まりにより、紙媒体から完全にデジタル化したプレスキットが標準となることが予想されます。このように、プレスキットは広告業界におけるメディア対応の基本ツールとして進化を続け、企業とメディアの橋渡し役としての重要性を保ち続けるでしょう。


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