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広告業界におけるシロ送りとは?

シロ送りとは?(しろおくり、Shiro Okuri、Envoi en Blanc)

広告業界における「シロ送り」とは、広告制作の段階で、デザインや内容がまだ未完成の状態の版下を先にクライアントや印刷所に送ることを指します。具体的には、広告のレイアウトや枠組みはできているものの、テキストや画像などの具体的な内容が入っていない状態で送られることが多いです。この段階での送付により、全体の構成やスペースの確認、修正の指示がしやすくなり、最終的な広告制作を効率的に進めることができます。


シロ送りの歴史と由来

「シロ送り」の「シロ」は、日本語で「白」や「空白」を意味し、内容が未確定のままの状態を示しています。もともと印刷業界では、最終的な内容が決まる前にレイアウトやページ数の確認を行うために、あらかじめ白紙の状態で印刷用データを送る習慣がありました。この印刷業界での慣習が、広告業界にも取り入れられ、「シロ送り」という用語として定着しました。

広告制作の現場で「シロ送り」が広まった背景には、制作スケジュールの短縮や効率化の必要性があります。特に紙媒体広告では、印刷所とのスケジュール調整が重要です。完成版を待ってから印刷所にデータを送ると、スケジュールが逼迫することがあるため、まずは全体のレイアウトを「シロ送り」して確認を取ることで、スムーズな進行を図ることができました。デジタル広告が主流になった現在でも、シロ送りの概念は、プロジェクトの進行や内容の事前確認において重要な役割を果たしています。

シロ送りの役割と広告業界での重要性

シロ送りの役割は、広告制作の進行を効率化し、クライアントや制作チームとのコミュニケーションを円滑にすることです。広告制作では、デザインやレイアウトが決定した後にテキストや画像の最終調整を行うことが一般的です。この際、シロ送りによって全体の構成を確認しておくことで、内容の追加や変更が容易になり、完成度の高い広告を作成することが可能となります。

また、シロ送りはスケジュール管理の観点からも重要です。広告制作は納期に追われることが多く、デザインやレイアウトを先行して確認しておくことで、最終的な内容が確定するまでの時間を有効に使うことができます。特に、印刷物や大規模なキャンペーン広告では、各部門の調整が必要なため、シロ送りを行うことで全体のスケジュールを見直し、スムーズな進行をサポートします。

現代の広告業界におけるシロ送りの使われ方

現代の広告業界において、シロ送りの使われ方は紙媒体に限らず、デジタル広告の制作においても見られます。例えば、ウェブ広告やSNSキャンペーンの制作過程でも、レイアウトや構成をあらかじめ確認するために、仮のデザインやダミーのテキストを使って「シロ送り」を行います。これにより、最終版のデザインや内容が確定する前にクライアントやチームメンバーとの確認を取り、修正がスムーズに進むよう調整します。

また、シロ送りはクライアントとの合意形成にも役立ちます。クライアントに対して、広告の全体的なビジュアルやスペース配分を事前に示すことで、具体的な内容に入る前に方向性の確認や修正点の指摘を受けることができます。この段階での確認をしっかり行うことで、最終的な広告制作の手戻りを減らし、品質の高いクリエイティブを効率的に完成させることができます。

シロ送りを効果的に活用するためのポイント

シロ送りを効果的に活用するためには、まずデザインやレイアウトの基本的な構成をしっかりと作り込むことが重要です。シロ送りの段階で広告の全体的な構図やスペース配分を明確に示すことで、クライアントやチームメンバーから具体的なフィードバックを得ることができます。これにより、後工程での大幅な修正を防ぎ、制作スケジュールを守ることが可能です。

また、シロ送りの際には、仮のテキストや画像を適切に配置し、最終版に近いイメージを提示することが望ましいです。これにより、クライアントや関係者が広告の完成イメージを正確に把握し、より具体的な修正指示を出しやすくなります。さらに、シロ送りを行う際には、進行スケジュールや納期を共有し、内容確定までの段取りを明確にすることが円滑なプロジェクト進行につながります。

まとめ

広告業界における「シロ送り」とは、広告のデザインやレイアウトが未完成の状態で仮の版下をクライアントや印刷所に送ることを指します。その起源は印刷業界にあり、広告制作においては効率的な進行や内容確認のための手段として定着しました。現代のデジタル広告制作においても、レイアウト確認や仮デザインの共有としてシロ送りの概念は活用されています。効果的なシロ送りを行うためには、レイアウトの構成を明確にし、仮のテキストや画像で全体像を示すことが重要です。これにより、クライアントや関係者との円滑なコミュニケーションを図り、広告制作のスムーズな進行をサポートします。


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