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広告業界におけるラッピング広告とは?

広告業界におけるラッピング広告(らっぴんぐこうこく、Wrapping Advertisement / Publicité Habillage)とは、バスや電車、トラックといった公共交通機関や商業施設の外観を広告で覆い、ブランドやメッセージを広く伝える広告手法です。ラッピング広告は車両の外装全体や窓にもデザインを施すことで視覚的なインパクトを与え、特定の地域や路線の利用者を効果的にターゲットにできる点が特徴です。目に留まりやすく、多くの人に訴求するために広告業界で広く採用されています。


ラッピング広告の歴史と背景

ラッピング広告は、もともと1980年代から1990年代にかけてアメリカやヨーロッパで普及し始めました。交通機関の利用者が増加する中で、広告業界は移動中の人々に広告を届けるため、バスや電車、タクシーなどの車両外装を広告スペースとして活用する手法を開発しました。こうした広告は、視覚的なインパクトが強く、目に入りやすいことから注目され、公共交通機関や商業施設と連携して普及しました。

日本では1990年代後半から、鉄道会社やバス会社といった交通機関がラッピング広告を導入し、特に首都圏や大都市圏で急速に増加しました。近年では、ラッピング広告が企業のプロモーション手段として定着し、電車の全車両やバス、空港の商業エリアなどで見かけることが一般的になっています。また、トラックやビルの外壁にもデザインが施され、都市部の広告として広く浸透しています。

ラッピング広告の特長と効果

ラッピング広告の最大の特徴は、視覚的なインパクト広範なリーチです。バスや電車、トラックなどは日常的に利用される交通手段であるため、多くの人々が日常の移動中に目にする機会があり、地域や路線によっては高いリーチ効果を期待できます。デザインによっては遠くからでも目立つため、注目度が高く、通行人や利用者に強い印象を残すことができます。

また、ラッピング広告は一定のエリアや路線に特化することで、ターゲットを絞った効果的なプロモーションが可能です。例えば、特定の地域でキャンペーンを展開したい場合、その地域を走るバスやタクシーにラッピング広告を施すことで、ターゲット層へのメッセージの浸透度を高めることができます。さらに、ビルの外装や店舗のウィンドウを広告として活用することで、訪れる人々に製品やサービスの魅力を伝えることが可能です。

ラッピング広告の種類と具体的な手法

ラッピング広告には、全体ラッピング部分ラッピングの2種類があります。全体ラッピングは、バスや電車の外装全体を広告で覆う方法で、視覚的なインパクトが強く、広告のメッセージが全面に広がるため高い訴求力を持ちます。特に電車のような大型車両での全体ラッピングは、通勤客や観光客など多くの人々の目に留まります。

一方、部分ラッピングは車両の一部や窓部分のみを広告に活用する方法です。全体ラッピングに比べてコストが抑えられるため、中小企業やローカルエリアでの広告に適しています。部分ラッピングでもデザインによっては十分に効果があり、注目を集めることが可能です。また、トラックのボディや商業施設の外壁、店舗ウィンドウなどにもデザインを施すケースもあり、企業のイメージに合わせたデザインが実現できます。

現代におけるラッピング広告の進化とデジタル技術

近年、ラッピング広告はデジタル技術の進化により、さらに多様化しています。デジタルラッピング広告と呼ばれるLEDビジョンを車体に搭載した広告手法も登場し、動画やアニメーションによる動的な広告表現が可能になりました。特に夜間には、光の演出により目立つため、視覚的なインパクトがさらに高まります。

また、AR(拡張現実)技術を活用して、スマートフォンで特定のラッピング広告を読み取るとインタラクティブなコンテンツが表示されるなど、広告体験を向上させる試みも進められています。こうしたデジタルラッピング広告は、企業のブランド認知や商品プロモーションの新しい方法として注目を集めています。

ラッピング広告の課題と今後の展望

ラッピング広告には、コストの高さ広告規制といった課題があります。全体ラッピングは視覚的な効果が大きい反面、費用も高く、予算が限られる企業にとっては負担となることがあります。また、交通機関や公共施設でのラッピング広告には規制がかかる場合があり、デザインや表示範囲に制限が設けられることもあります。

今後、デジタル技術や環境に配慮した素材の導入により、さらに多様な表現が可能になると予想されています。特にエコ素材を活用したラッピング広告や、デジタルサイネージとの併用により、環境負荷を低減しつつ広告効果を高める取り組みが期待されています。広告業界において、ラッピング広告は引き続き効果的なプロモーション手法として進化し、地域密着型やデジタル広告としての可能性が広がるでしょう。


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