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広告業界におけるリカート法とは?

広告業界におけるリカート法(りかーとほう、Likert Scale / Échelle de Likert)とは、消費者の意見や態度を数値化するための評価法です。リカート法はアンケートなどで「非常に良い」「良い」「どちらでもない」など段階的な選択肢を設けて意見を測定し、対象に対する肯定・否定の強度を把握します。広告効果やブランド認知度の調査に用いられ、消費者の反応を視覚化することでマーケティング戦略の改善に役立っています。


リカート法の歴史と背景

リカート法は、1932年にアメリカの心理学者レンシス・リカートによって考案されました。リカートは、心理学の分野で人々の態度や感情を数量的に分析する手法の開発に取り組み、この評価法を提唱しました。リカート法の特徴は、調査対象の肯定・否定の程度を測定できる点で、意見や感情の強さを段階的な数値で表すことができることです。

この手法は、心理学の研究から始まり、後に広告業界やマーケティングの分野で広く用いられるようになりました。広告や商品の評価において、消費者がどの程度ポジティブな反応を示すかを測定することは、効果的な広告戦略を立てる上で重要であり、リカート法はこの目的に合致したツールとして定着しました。

リカート法の構成と特徴

リカート法は、段階的な評価尺度を用いることで、調査対象の意見や態度を可視化します。一般的には、5段階または7段階の評価尺度が用いられ、「非常に同意する」「同意する」「どちらでもない」「反対する」「非常に反対する」といった選択肢が設定されます。この方法により、回答者の意見が「どちらでもない」という中立的な意見から、強く肯定・否定する意見まで幅広く把握できます。

リカート法のもう一つの特徴は、評価尺度に数値を割り当てて平均値を算出できる点です。たとえば、「非常に同意する」を5、「同意する」を4といった具合に数値化することで、調査全体の傾向を定量的に分析することが可能です。これにより、個々の回答をまとめて評価できるため、広告や商品の評価結果を視覚化して把握しやすくなります。

リカート法の広告業界における活用方法

リカート法は、広告業界で広告効果の測定ブランド認知度の評価に広く活用されています。広告効果を測定する際には、消費者が広告に対してどのような反応を示すかを具体的に把握するため、リカート法を使用して評価を収集します。たとえば、「この広告は魅力的だったか」「ブランドの印象が良くなったか」といった質問に対し、段階的に評価してもらうことで、消費者の態度を視覚化できます。

さらに、ブランドイメージ調査にもリカート法が役立ちます。ブランド認知度や信頼度を測る際に、消費者がどの程度そのブランドに好意的な感情を抱いているかを把握できるため、ブランド強化のための広告戦略を立てやすくなります。また、リカート法によって収集したデータは、継続的にモニタリングすることで、広告キャンペーンの効果を時系列で比較することも可能です。

現代のリカート法とデジタル化による影響

近年、デジタル技術の発展に伴い、リカート法の調査はオンラインで簡単に実施できるようになりました。オンラインアンケートモバイル調査を活用することで、短時間で広範囲のサンプルを収集できるため、リカート法の効率が大幅に向上しています。インターネットを利用したリサーチは、従来の紙面アンケートよりもコストと時間の削減が可能です。

さらに、AIやビッグデータ分析が導入されることで、リカート法によるデータを迅速かつ精密に解析し、リアルタイムでの消費者の反応を把握することが可能になっています。広告キャンペーン中に消費者の反応をモニタリングすることで、広告効果の最大化やターゲティングの精度向上が実現され、広告のパフォーマンスが向上しています。

リカート法の課題と今後の展望

リカート法には、回答の偏り回答者の主観性といった課題があります。たとえば、回答者が「どちらでもない」を選びがちな場合や、特定の回答を選ぶ傾向が強い場合、得られたデータが偏ることがあります。また、主観に基づく回答のため、個々の感覚や経験に左右されやすく、調査結果が安定しない可能性もあります。

今後、リカート法はAIを活用したデータ補正や、主観的な回答の影響を排除する方法が進展することで、より精密で正確なデータ収集手法として進化すると期待されています。広告業界においても、リカート法を活用した消費者インサイトの分析が進むことで、広告効果の改善やターゲティングの精度向上に寄与し、リカート法の重要性がさらに高まるでしょう。


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