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広告業界における多色刷りとは?

広告業界における多色刷り(たしょくずり、Multicolor Printing / Impression Polychrome)とは、複数の色を使用して印刷物を作成する技法を指します。主に広告チラシ、ポスター、パンフレットなど、視覚的に魅力的なデザインが求められる印刷物で活用されます。多色刷りは、色彩の豊かさと視覚的なインパクトにより、消費者の注目を引き、広告効果を高めるための重要な技法として広く利用されています。


多色刷りの歴史と由来

多色刷りの技術は、印刷技術の発展とともに進化してきました。16世紀のヨーロッパでは、版画に手作業で色を加えることが一般的でしたが、18世紀後半にリトグラフ(石版画)が発明され、複数の色を使った印刷が可能となりました。その後、19世紀にはオフセット印刷が登場し、多色刷りの効率性と精度が飛躍的に向上しました。

日本においては、江戸時代の木版画が多色刷りの始まりとされています。浮世絵で多くの色を使用した「錦絵」は、その美しい仕上がりで世界的にも評価されました。明治時代には西洋の印刷技術が導入され、広告やポスターで多色刷りが広く用いられるようになりました。

多色刷りの特徴と効果

多色刷りの特徴には以下のような点が挙げられます:

  • 色彩の表現力:鮮やかな色彩やグラデーションを再現することで、印刷物の視覚的な魅力を高めます。
  • 訴求力の向上:豊かな色彩は、消費者の興味を引き、広告メッセージを効果的に伝えます。
  • ブランディング効果:ブランドカラーや特定の色彩を使用することで、ブランドイメージを強化します。

多色刷りは、以下のような広告制作で特に効果を発揮します:

  • 製品カタログやパンフレットの印刷。
  • イベントやキャンペーンのポスター制作。
  • 高級感や特別感を演出するパッケージデザイン。

多色刷りの現在の使われ方

現代の広告業界では、多色刷りは印刷物だけでなく、デジタル技術との組み合わせでさらに進化しています。たとえば、デジタルオフセット印刷やUVインクを使用することで、鮮明で高精度な色彩表現が可能になりました。また、カスタマイズされた印刷物を短時間で大量に生産できるため、多色刷りがさらに幅広い用途で利用されています。

さらに、環境への配慮が求められる中、エコフレンドリーなインクやリサイクル紙を使用した多色刷りが注目されています。これにより、広告主は消費者に環境意識を訴求するデザインを提供することが可能です。

多色刷りの未来と課題

多色刷りは今後も広告デザインにおける重要な技法として活用され続けるでしょう。特に、AR(拡張現実)や特殊加工技術と組み合わせることで、消費者に対するインパクトをさらに強める新しい広告表現が生まれる可能性があります。

しかし、一方で課題も存在します。多色刷りにはコストがかかるため、広告予算が限られている場合には使用が難しいことがあります。また、デジタルメディアが主流となる中で、印刷物の広告がどの程度影響力を維持できるかが問われています。これに対処するためには、多色刷りを活用した広告がデジタル媒体と連携するクロスメディア戦略を採用することが求められます。

総じて、多色刷りは広告物に鮮やかさと訴求力をもたらし、消費者の目を引きつける強力なツールです。その価値を最大限に引き出すには、適切な用途の選定と他の広告技法との組み合わせが重要となります。


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