アパレル業界におけるB品とは?

アパレル業界の分野におけるB品(びーひん、B-grade item、Article de second choix)は、製品としての基本的な機能や使用に支障はないものの、縫製のゆがみ・小さな汚れ・色ムラ・微細なキズなど、外観や仕上がりにわずかな不具合がある商品を指します。これらは通常の品質基準(A品)を満たしていないため、正規価格では販売されず、アウトレットやセール、従業員販売などの形で低価格で提供されるのが一般的です。

「訳あり商品」「アウトレット品」として流通することも多く、品質のばらつきを前提に価格に反映されるため、消費者にとってはお得感のある購入機会となります。一方で、B品の基準や告知の明確化が求められるようになり、誤解やトラブルを避けるための表示や説明が業界全体で重視されています。B品は、商品ロスの削減やサステナビリティの観点からも注目されています。



B品の定義と特徴

B品とは、アパレル製品のうち、通常販売を前提とした基準(A品)に満たないが、着用や使用に大きな問題はないものを指します。たとえば、縫い目がわずかにずれている、ボタンホールの位置が数ミリ異なる、生地に微小な汚れがある、プレスにムラがあるといった、目視で確認できるレベルの不具合があるケースが該当します。

これらはあくまで“外観”に関する瑕疵であり、耐久性や安全性といった“機能”には問題がないため、市場での再流通が可能と判断された商品です。こうした商品は、B品として区別されることで、正規販売ルートとは異なるチャネルで流通され、適正な価格設定がなされます。



B品という言葉の由来と背景

B品という用語は、日本国内の製造業や流通業界において、品質管理上のランク付けに用いられてきた表現です。「A品=基準を満たす正規品」「B品=基準に達しないが使用可能な品」という分類があり、この区分はアパレルに限らず、家電、日用品、食品など幅広い業界で用いられてきました。

アパレル業界においては、戦後の大量生産体制の整備とともに、製造ラインで発生するわずかな縫製ミスや検品不良品などを「B品」として管理する仕組みが確立されました。これにより、廃棄ではなく流通によるロス回避が実現し、効率的な在庫管理や利益確保につながったのです。

また、リユースやアウトレット市場の成長にともない、B品は「安価で買える正規品に近い商品」として広く認知されるようになりました。



現代におけるB品の活用と課題

現在のアパレル業界において、B品はアウトレット店舗やセール、従業員販売、市場外取引など多様な方法で流通しています。特に、サステナブルな取り組みの一環として、廃棄せずに有効活用する手段として注目され、SDGsの観点からも肯定的に評価される傾向があります。

また、オンライン上でも「訳あり品」や「サンプル品」といった名称で販売され、価格に敏感な消費者層に支持されています。近年では、B品の理由を明確に記載し、返品不可などの条件を丁寧に提示するブランドが増え、消費者との信頼関係の構築にもつながっています。

一方で、表示の不備や説明不足によるトラブルが起こることもあり、業界としてはガイドラインの整備や透明性のある運用が求められています。また、B品であることを意図的に隠す「偽装販売」への対策も必要です。



まとめ

B品とは、軽微な不具合があるため正規品(A品)としては扱われないが、使用には問題のないアパレル製品を指し、適正な価格で再流通されることが一般的です。

その背景には、品質管理体制の発達と、製品ロスを抑えたいという業界全体のニーズがあります。現在ではアウトレット販売やサステナブルな視点からの活用が広がり、消費者にとってもお得な選択肢となっています。

今後もB品の適正流通を通じて、アパレル業界のロス削減と信頼性の確保に貢献することが期待されます。

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