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アパレル業界におけるCAD(キャド)とは?

アパレル業界の分野におけるCAD(キャド)(きゃど、Computer Aided Design、Conception Assist?e par Ordinateur)は、衣服のパターン(型紙)作成やグレーディング(サイズ展開)、マーキング(裁断配置)などの工程をコンピュータで設計・管理するためのシステムを指します。従来手作業で行われていたパターンメイキングをデジタル化することで、作業効率の向上、精度の確保、コスト削減を可能にし、アパレル製品の開発・生産における中核的な役割を果たしています。

日本では1980年代以降に導入が進み、現在ではCADソフトウェアは大手アパレルメーカーやOEM・ODM企業、パターンナーの必須ツールとなっています。近年では3D対応のCADも登場し、サンプル制作の前段階から仮想試作が可能となり、よりスピーディーで持続可能なものづくりへの貢献も期待されています。



CADの定義とアパレル業界における役割

CAD(キャド)とは、「Computer Aided Design」の略で、コンピュータによる設計支援を意味します。アパレル業界においては、主にパターン(型紙)の作成・編集や、サイズ展開(グレーディング)、裁断計画(マーキング)といった製品設計のプロセスを支えるツールとして活用されます。

従来は紙上で手作業によって行われていたこれらの作業を、CAD上で効率的かつ高精度に実行することで、作業時間の短縮や生産ミスの削減が可能となります。また、パターンデータのデジタル管理により、他部署や協力工場とのスムーズな情報共有も実現でき、全体の生産性向上に寄与します。

特に量産を前提とする大手アパレル企業やOEMメーカーでは、製品開発のスピードと品質を確保するためにCADの導入は不可欠となっています。



CADという用語の由来と導入の歴史

CADという言葉は、1960年代に工業設計分野で初めて用いられ、自動車や建築、機械設計などで普及しました。アパレル分野への応用は1980年代から始まり、パターンメイキングに特化したCADソフトが各社から開発されました。

日本国内では1990年代に入って導入が本格化し、島精機製作所、東レACSなど国内メーカーによる専用CADソリューションが広まりました。これにより、手作業で行っていた型紙作成・修正作業が大幅に効率化され、グローバル市場での競争力を高める要因となりました。

当初は高価な機材と専門知識が必要でしたが、現在では導入コストも下がり、中小規模のブランドや専門学校などでも導入が進んでいます。



現代におけるCADの進化と実務での活用

現在のアパレル業界では、CADは単なる図面作成の道具ではなく、製品開発全体のデジタルインフラとして活用されています。最新のCADソフトでは、3Dモデリングやアバターを使った仮想フィッティング、着用シミュレーションなどの機能も備え、サンプル制作の回数を減らすことが可能です。

また、データ連携機能により、CADで作成したパターンはCAM(自動裁断機)と連動させることができ、生地の無駄を減らすマーキング設計や、各サイズごとの裁断指示に即座に反映されるため、量産体制においても高い精度とスピードを実現します。

さらに、デジタルパターンは海外工場への迅速な送信や、クラウド上での共有が可能であり、国境を越えた製品開発やリモートワーク体制との親和性も高くなっています。



まとめ

CAD(キャド)は、アパレル業界における設計・生産の効率化に不可欠なデジタルツールであり、パターン作成やサイズ展開、マーキングといった工程を高精度かつ迅速に行うための仕組みです。

その歴史は1980年代に始まり、現在では3Dやクラウド連携といった先進技術を取り入れながら、グローバルなアパレル生産に対応する基盤として活用されています。

今後もCADの進化は、サステナブルで柔軟なものづくりを支える要となり、アパレル業界全体の競争力を高める原動力となっていくでしょう。

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