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アパレル業界におけるCAM(キャム)とは?

アパレル業界の分野におけるCAM(キャム)(きゃむ、Computer Aided Manufacturing、Fabrication Assist?e par Ordinateur)は、コンピュータによる製造支援を意味する言葉で、特に裁断工程において自動裁断機(カッティングマシン)を操作・制御するシステムを指します。CAD(設計)と連携し、型紙データをもとに生地を自動で正確にカットすることで、生産効率の向上や人為的ミスの軽減に貢献します。

アパレル業界では、量産工程の自動化・省人化のためにCAMが広く導入されており、複雑なパターンや多様な素材への対応力も高まっています。作業精度の高さやスピードだけでなく、生地のロス削減やサステナブルな製造への取り組みにも寄与しており、現代の製品づくりに欠かせない技術のひとつです。



CAMの定義とアパレル業界での基本的役割

CAM(キャム)とは、「Computer Aided Manufacturing」の略称で、コンピュータを用いて製造工程を支援・自動化する技術のことです。アパレル分野では主に、CADで作成されたパターンデータやマーキングデータをもとに、生地を自動裁断する装置を制御するためのシステムを指します。

裁断作業はアパレル製造における最初の重要な工程であり、その精度が最終製品の品質に大きく影響します。CAMを使用することで、手作業による裁断に比べて高精度・高効率な作業が実現され、作業者の熟練度に左右されることなく一定の品質を保つことが可能になります。

特に多品種・小ロット生産が求められる現代においては、スピーディーかつ正確な裁断を可能にするCAMの導入が業界全体で加速しています。



CAMという用語の起源とアパレルへの導入経緯

CAMという言葉は、1960年代にアメリカの工業界で登場し、機械加工や自動車製造分野などで導入され始めました。その後、設計を担うCADとの連携によって、設計から生産までを一貫してコンピュータで管理する「CAD/CAMシステム」が構築され、さまざまな業界に波及しました。

アパレル業界では1980年代からCAMの導入が始まり、CADで作成したパターンデータを自動裁断機に転送し、生地を裁断するシステムとして定着しました。国内では島精機製作所や東レなどの企業が自社製CADと連携するCAMシステムを展開し、多くのアパレル工場や縫製工場で導入されるようになりました。

この流れにより、生産現場における人手の削減や納期短縮が可能となり、グローバルなアパレル生産体制における競争力を高める要因のひとつとなりました。



現代のアパレル業界におけるCAMの進化と課題

現在のアパレル業界においてCAMは、単なる自動裁断にとどまらず、工場全体の生産管理システムと連動する高度な役割を担っています。例えば、生地の種類や厚み、重ね枚数に応じて裁断スピードや刃の挙動を自動で調整したり、生地の無駄を極力削減するよう最適化されたマーキングデータに基づいて裁断を行うといった機能があります。

また、近年はIoTやAI技術と組み合わせることで、生産ラインの効率監視、故障の予兆検知、生地の伸縮性や織り目に応じた最適裁断といった高度な分析も可能となりつつあります。

一方で、初期導入コストの高さや、機械操作・メンテナンスの専門性といった課題も残されており、中小規模のアパレル企業にとっては導入のハードルが依然として高い状況も見られます。しかし、労働人口減少への対応や持続可能な生産体制の構築という観点から、今後さらにCAMの導入は加速するものと見られています。



まとめ

CAM(キャム)は、CADと連動してアパレル製造の裁断工程を支援・自動化するシステムであり、正確で効率的な裁断を実現することで生産性と品質を高める役割を果たしています。

その歴史は工業分野から始まり、アパレル業界にも導入が進むことで、省力化とスピードアップを実現し、現在では多くの縫製現場で不可欠な技術となっています。

これからのアパレル業界においても、CAMはスマートファクトリーやサステナブルな製造体制を支える鍵として、ますます重要な存在となっていくでしょう。

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