アパレル業界におけるCPOジャケットとは?
アパレル業界の分野におけるCPOジャケット(しーぴーおーじゃけっと、Chief Petty Officer Jacket、Veste de sous-officier en chef)は、アメリカ海軍の下士官(Chief Petty Officer)が着用していた制服に由来するミリタリースタイルのジャケットで、厚手のウール素材とシャツ型のデザインが特徴です。フラップ付きの胸ポケットやボックスシルエットが定番で、現代ではカジュアルファッションの定番アウターとして定着しています。
防寒性と動きやすさを兼ね備えたCPOジャケットは、秋冬シーズンを中心にメンズ・レディース問わず多くのブランドで展開されており、アメカジ、ミリタリー、ストリートなどさまざまなスタイリングに取り入れられています。ファッション性と実用性を兼ね備えた定番アイテムとして、多くの層から支持されているジャケットです。
CPOジャケットの定義とデザイン的特徴
CPOジャケットとは、シャツジャケットとも呼ばれるアイテムの一種で、前開きボタン、襟付きのシャツ型デザインに加え、フラップ付きの胸ポケット、厚手のウールやメルトン生地を使用しているのが一般的な特徴です。
ジャケットでありながらインナーとしても着用可能な中間着的役割を担い、ボックス型のシルエットや落ち着いた色味のデザインが多く、重ね着しやすい点でも人気があります。シンプルながらもミリタリーテイストを感じさせるデザインは、幅広いコーディネートに対応可能です。
最近ではウールに限らず、コーデュロイ、フリース、ポリエステルなどの多様な素材で展開され、用途や気候に応じて選べるようになっています。
CPOジャケットの語源と歴史的背景
CPOジャケットの「CPO」とは、アメリカ海軍における下士官の階級である「Chief Petty Officer」の略称です。1930年代、米海軍の作業用ユニフォームとして支給されていた厚手のウールシャツがその起源であり、寒冷地での作業に適した高い防寒性を備えていました。
このユニフォームは軍服ながらシャツに近いデザインであったため、退役軍人やサープラス品が民間に流通する中で、実用性の高さと洗練されたスタイルが一般層にも受け入れられ、徐々にファッションアイテムとして定着していきました。
第二次世界大戦後には、アメリカのワークウェアやミリタリーファッションに関心を持つ若者文化を通じて、CPOジャケットはアメカジの定番として確立されました。特に1980?90年代のストリートシーンにおいても再評価され、ヴィンテージアイテムとしての価値も高まりました。
現代ファッションにおけるCPOジャケットの位置づけ
今日のアパレル業界において、CPOジャケットはシーズン定番アウターのひとつとして、毎年多くのブランドから展開されています。トラッドスタイルからアウトドア、ストリートファッションに至るまで、あらゆるスタイルと親和性が高く、素材やシルエットの工夫により幅広い層に訴求しています。
ユニセックスなデザインとして展開されることも多く、近年ではオーバーサイズやドロップショルダーなど、トレンドを反映したシルエットが主流となっています。また、テック素材や裏起毛など機能性を備えた商品も増加し、より実用的かつファッション性の高いアイテムとして進化を遂げています。
秋冬の立ち上がりに欠かせない「軽アウター」として、CPOジャケットは多くの消費者にとってスタイリングの軸となる重要なピースです。
まとめ
CPOジャケットとは、アメリカ海軍の下士官制服にルーツを持つ厚手のシャツ型ジャケットであり、高い防寒性と実用性を兼ね備えたアウターウェアです。
その歴史的背景からくるミリタリー由来の無骨な魅力と、現代的なデザインへの昇華が融合し、アメカジやストリートなど多様なスタイルにフィットするファッションアイテムとして定着しています。
素材やシルエットの多様化が進む中で、CPOジャケットは今後も秋冬シーズンの人気定番として、多くのブランドや消費者に選ばれ続けることでしょう。