アパレル業界におけるF/W(秋冬)とは?
アパレル業界の分野におけるF/W(秋冬)(えふだぶりゅー、Fall/Winter、Automne/Hiver)は、主に9月から翌年2月ごろを対象としたファッションの季節区分であり、コートやニット、ブーツなど寒冷期に適したアイテムが展開されるシーズンを指します。F/WはS/S(春夏)と対をなす業界用語として定着しており、商品開発・展示会・販売戦略における基本的なサイクルのひとつです。
この表現は、国際的なファッション業界で使用される標準的な略語であり、パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンなどのファッションウィークでも「F/W 20XXコレクション」という形で用いられます。近年は気候変動や生活様式の変化により、F/Wの枠組みも柔軟に再定義されつつあります。
F/Wの定義とアパレル業界における役割
F/Wとは、「Fall/Winter(秋冬)」の略で、アパレル業界におけるシーズン区分のひとつです。一般的に9月から翌年2月頃までの気候に対応した商品群を指し、防寒性や保温性を重視した素材やデザインが中心となります。
たとえば、ウールやダウン素材のアウター、厚手のニットやフリース、ブーツやマフラーなど、気温が低い季節に適したアイテムがF/W商品の代表格です。また、色合いも落ち着いたトーンが主流で、ボルドー、ネイビー、カーキ、グレーなどが多用されます。
このF/Wという区分は、商品企画・発注・プロモーション・売場構成など、アパレル業務の各プロセスにおいて基準として用いられています。
F/Wという言葉の由来と国際的な背景
F/Wという略語は、英語の「Fall(秋)」と「Winter(冬)」の頭文字をとったもので、ファッション業界において国際的に広く使用されている用語です。この表現が一般化したのは、20世紀後半にファッションショーや展示会が定期開催されるようになり、シーズンごとの商品発表サイクルが確立されたことが背景にあります。
特にニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドンの「4大コレクション」では、毎年2月から3月にかけてF/Wのコレクションが発表され、世界中のバイヤーやメディアが注目します。F/W 2025といった形式でシーズンを明示し、展示会やプレスリリース、カタログでも標準的に使われます。
また、日本国内でもファッション業界のグローバル化に伴い、F/Wという表現が商品企画資料や広告表記などに一般化しています。
現代におけるF/Wの展開と課題
近年のアパレル業界においてF/Wは、単なる季節分類にとどまらず、マーケティング戦略や消費者ニーズとの連動がより重視されるようになっています。たとえば、真冬用の重衣料だけでなく、秋口に向けた軽アウターや、レイヤリング(重ね着)しやすいインナーなど、細分化されたアイテム展開が一般的となっています。
また、気候変動の影響により、地域によっては冬が短く暖かいケースも増えており、F/W商品自体の素材選定や投入時期に柔軟な対応が求められています。さらに、ファッションのサステナビリティ志向の高まりにより、F/Wでもリサイクル素材や動物由来素材を使わないアイテムのニーズが強まっています。
こうした状況下でも、F/Wという用語は依然として年間の販促・商品戦略における重要な区分であり、ブランドの年間スケジュールを設計するうえでの基本単位として使用され続けています。
まとめ
F/Wとは、アパレル業界における秋冬シーズンを表す略語であり、寒冷期に対応する商品やプロモーション展開を意味する用語です。
その語源は英語のFall/Winterに由来し、グローバルなファッションイベントや業務の基準として長年活用されてきました。
現代では気候や消費者の変化に対応しつつも、F/Wは依然としてアパレル業界におけるシーズン戦略の中核を担う重要なカテゴリーであるといえます。