アパレル業界におけるMサイズとは?

アパレル業界の分野におけるMサイズ(えむさいず、Medium Size、Taille moyenne)は、衣服のサイズ区分における中間的なサイズを示す用語で、Small(S)とLarge(L)の間に位置する標準的なサイズです。男女問わず多くのアパレル商品で採用される基準サイズであり、日本においては一般的に身長160~170cm前後、バストやウエストが平均的な体型を想定して設計されています。

「Mサイズ」は世界的に通用するグローバルな表記であり、タグやカタログ、ECサイトのサイズガイドにも標準記載されています。国やブランドによって若干の寸法差はあるものの、消費者にとって最も選択肢が多く、試着せずに購入されることも多いため、業界内でも基準値として重要な役割を果たしています。



Mサイズの定義と寸法の目安

Mサイズとは、「Medium(中間)」を意味するサイズ表記で、アパレルにおける標準体型を想定したサイズ区分のひとつです。一般的には、男性では身長165~175cm・バスト88~96cm・ウエスト76~84cm、女性では身長155~165cm・バスト79~87cm・ウエスト64~70cm程度が目安とされます。

ただし、これらはあくまで目安であり、ブランドやアイテムのデザイン(タイト/ルーズ)によって実寸やフィット感は異なります。Mサイズは日本国内では最も需要が多く、生産数・流通量ともに多く設定される傾向にあり、店頭在庫や試着サンプルもこのサイズが中心となることが一般的です。

また、ユニセックス商品やフリーサイズ商品においては、Mサイズ相当の寸法を基準にしてパターンが引かれることが多く、実質的な「標準サイズ」として認知されています。



Mサイズの語源とアパレル業界への導入の背景

Mサイズという表現は、20世紀初頭にアメリカを中心に広まった既製服産業の成長とともに誕生しました。それまで衣服は注文仕立てが主流でしたが、工業化により大量生産が可能となる中で、複数の体型に対応するためにS(Small)、M(Medium)、L(Large)という段階的なサイズ分類が導入されました。

このサイズ分類は簡潔で消費者にも理解されやすく、アパレル製造・販売の合理化に大きく寄与しました。特にMサイズは全体の中間に位置するため、標準体型に合わせた商品設計の指標として扱われるようになり、世界各国で共通の記号として用いられるようになりました。

日本では戦後の洋装化の進展に伴い、SML表記が広まり、JIS規格やアパレル工業会などの標準寸法設定に基づいてMサイズが設計されるようになりました。



現代におけるMサイズの活用と課題

現在のアパレル業界では、Mサイズは多くのアイテムで中心的なサイズとして位置づけられています。店頭販売では、Mサイズを基準に陳列や試着対応が行われ、オンライン販売においてもMサイズを基点にしたサイズチャートが提示されることが多いです。

一方で、近年は体型の多様化やライフスタイルの変化により、「標準体型」という概念自体が相対化されつつあります。加えて、オーバーサイズやジャストフィットなどスタイルの違いによって、同じMサイズでも着用感が大きく異なるケースも増えています。

また、海外ブランドでは日本のMサイズよりも大きめに設定されていることが多く、インポート商品の購入時にはサイズ換算や実寸確認が重要となります。このため、アパレル企業ではMサイズという表記に加え、センチ表示や寸法図付きの詳細説明を添えるなど、消費者への情報提供の工夫が求められています。

近年では「スマートM」や「ミッドM」といった新たな表記も登場しており、標準化と個別対応のバランスが今後の課題として注目されています。



まとめ

Mサイズとは、「Medium(中間)」を意味し、アパレル業界における標準的な体型を基準としたサイズ表記です。男女ともに多くのアイテムで中心的な位置を占めており、生産・販売・マーケティングの基準として重視されています。

その一方で、体型やファッションスタイルの多様化に伴い、Mサイズの定義や位置づけにも柔軟な対応が求められています。今後は、Mサイズを軸にしつつも、より多様なニーズに応える細分化されたサイズ展開や、分かりやすい情報提供が重要となるでしょう。

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