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アパレル業界におけるSPU(Shop Staff Purchase)とは?

アパレル業界の分野におけるSPU(Shop Staff Purchase)(えすぴーゆー、Shop Staff Purchase、Achat du personnel de boutique)は、販売スタッフが自社ブランドの商品を社員割引価格で購入する制度を指します。主に店舗に立つ販売員が実際に商品を着用することで、ブランドイメージの体現やスタイリングの参考として顧客への接客力を高めることを目的としています。SPUは現場のモチベーション向上にもつながり、アパレルブランドにとっては販売促進とブランド浸透の両面から重要な施策となっています。

この制度は企業ごとに運用方法が異なり、月ごとの購入上限や着用義務、着用回数の規定などが設けられている場合があります。近年では、SNSでの情報発信やスタッフブログとの連動により、SPUの活用が販促ツールとしてさらに注目を集めています。



SPUの定義とアパレル業界における意義

SPUとは、「Shop Staff Purchase」の略で、アパレル販売スタッフが自社商品を割引価格で購入できる制度を指します。スタッフが着用することで実際のスタイリング例を顧客に提示し、商品魅力の訴求や購買意欲の喚起につなげる狙いがあります。

この制度は、いわば“着る広告”としての役割を担っており、スタッフが自社商品を着て働くことでブランドイメージを強化し、店頭の統一感やプロフェッショナルな印象を与えることができます。また、スタッフ自身のスタイリング提案力や商品理解の向上にも寄与します。

SPUは福利厚生の一環としての側面もあり、スタッフのモチベーションやブランドへの帰属意識を高める手段として、多くのアパレル企業が導入しています。



SPUの語源と歴史的背景

SPUという用語は、2000年代以降、アパレル業界で制度的に定着したもので、特にファッション性を重視するブランドやセレクトショップで導入が進みました。以前は販売スタッフが自費で商品を購入していたケースも多く、制度として整備されていなかった時代もありましたが、スタッフの経済的負担軽減とブランド浸透の効果が認識されるようになり、制度化が広がりました。

国内では、ユナイテッドアローズ、アダストリア、ベイクルーズなどの大手アパレル企業が早期にSPU制度を導入し、一定のルールに基づいた商品購入を奨励する体制を整えました。これにより、スタッフが積極的に商品を着用・紹介することが可能となり、顧客との接点におけるスタイリング提案の説得力が増しました。

とりわけ、SNSやスタッフスナップなどの情報発信手段が多様化した現代では、SPUによる実着用がブランドの広告的役割を果たすようになっています。



現代におけるSPUの運用と課題

現在のアパレル業界において、SPUは販売戦略と人材活用の両面から重要な制度となっています。企業によっては月間の購入点数や金額の上限、対象アイテムの指定、着用日数のルールなどを設けて制度を運用しています。これにより、店舗全体でのスタイリングの統一感や、重点商品の販促促進が実現されやすくなります。

さらに、スタッフのSNSアカウントやブランドの公式サイトでのスタッフコーデ投稿などにおいて、SPUで購入したアイテムのスタイリングが紹介され、集客・販売促進に貢献しています。スタッフは自らがブランドの顔として見られる意識を持ち、より主体的な接客や発信が期待されるようになります。

一方で、SPUにはスタッフの私費購入負担が生じることから、制度の透明性や公平性が問われるケースもあります。特に新人スタッフやアルバイトスタッフにとっては負担となることもあるため、福利厚生とのバランスを保ちながら、無理のない範囲で制度運用することが求められます。



まとめ

SPU(Shop Staff Purchase)とは、アパレル販売スタッフが自社商品を社員割引で購入できる制度であり、スタイリング提案力の強化、ブランドイメージの統一、販促活動の支援といった多くの役割を果たします。

ブランドとスタッフの距離を縮めるこの制度は、今後も多様化する販売チャネルやSNSマーケティングと連動しながら、アパレル業界における重要な人材戦略として発展していくことが期待されます。

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