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アパレル業界におけるあおりポケットとは?

アパレル業界の分野におけるあおりポケット(あおりぽけっと、Aori Pocket、Poche Aori)は、主にバッグに使われる構造で、中央のメイン収納部をはさむように前後に配置されたポケットを指します。このポケットは、メイン収納にアクセスしなくても小物をすぐに出し入れできる利便性があり、デザイン上も機能上も人気の高い仕様です。日本のバッグ製造において定着した名称で、「あおり(扇る)」という語感が、ポケットが両側に広がるように設けられた形状を連想させることから名づけられました。

トートバッグやショルダーバッグ、ビジネスバッグに多く採用され、現代ではスマートフォンやパスケースなど日常的に使用頻度の高いアイテムの収納スペースとして重宝されています。



あおりポケットの定義と機能的特徴

あおりポケットとは、バッグのメイン収納部の前後に備え付けられた大きめの外部ポケットを指し、ポケット自体がメイン収納を“あおるように”左右に覆う形で取り付けられていることからこの名称がついています。

この構造は、一つのバッグ内に異なる使用目的の収納スペースを確保できる点が最大のメリットです。メイン収納を開閉することなく、スマートフォン、鍵、定期券など、すぐに取り出したいアイテムを効率よく収納できるため、機能性と利便性を兼ね備えた収納仕様として高く評価されています。

また、ポケット自体にファスナーやマグネットボタンが付いている場合もあり、セキュリティ面でも安心して使用できる点も人気の要因です。



あおりポケットの語源と登場背景

あおりポケットという名称は日本独自の呼称であり、その形状が“扇であおるように”広がっている様子や、“包み込むような”印象を与えることから名づけられたとされています。英語やフランス語に直接対応する用語はなく、海外では“front and back pockets”や“slip pockets”などと表現されることが多いですが、あおりポケット特有の構造まで正確に伝えるには説明が必要です。

この仕様が普及し始めたのは1980年代以降の日本のバッグメーカーによる製品展開で、特に女性向けの実用的なバッグにおいて重宝されました。デザイン性を損なうことなく収納性を拡張できる点が評価され、ビジネス用途からデイリーカジュアルまで幅広く用いられるようになりました。

近年では男女問わずユニセックスなバッグにもあおりポケットが採用されており、スタイリッシュさと実用性を両立するデザインとして注目されています。



現代のアパレル市場におけるあおりポケットの活用と応用

今日のアパレル市場では、あおりポケットはユーザー視点での商品設計に欠かせない機能のひとつとして確固たる地位を築いています。特に通勤用や通学用のバッグにおいて、整理整頓された収納スペースを求めるニーズに応える形で、さまざまなブランドが積極的にこの仕様を取り入れています。

また、あおりポケット部分にあえてコントラストのある素材や柄を使うことで、バッグ全体のデザインアクセントとしての役割も果たし、視覚的な魅力も高められています。マザーズバッグや旅行用トートなど、大容量かつ頻繁な出し入れが想定されるシーンでも非常に有効です。

一方、あおりポケットを設けることでバッグの厚みや重さが増す傾向があるため、軽量素材の活用やポケット内部の最適化など、設計面での工夫も進んでいます。今後はさらにユーザビリティを追求した形での展開が期待されます。



まとめ

あおりポケットとは、バッグの前後に配された収納部で、メイン収納と独立した使い勝手の良いスペースを提供する日本発祥のデザイン仕様です。

収納性とデザイン性を両立し、日常的な利便性を追求したこの構造は、今や幅広い用途のバッグに採用されており、実用性と美しさを兼ね備えたアパレル業界の定番ディテールとして支持されています。

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