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アパレル業界におけるアクセントカラーとは?

アパレル業界の分野におけるアクセントカラー(あくせんとからー、Accent Color、Couleur d'accent)は、コーディネートやアイテムのデザインにおいて視線を引きつけるために用いられる、差し色や強調色のことを指します。全体の色調バランスに変化を与え、印象を引き締めたり華やかさを加える目的で用いられ、ファッションスタイリングにおいて重要な役割を担います。ベーシックカラー(黒・白・グレー・ネイビーなど)やサブカラーと組み合わせることで、個性を際立たせたり季節感を表現したりする技法としても活用されます。

現代ではパーソナルカラー診断やSNSの普及により、アクセントカラーの使い方が消費者のファッション選びに与える影響も増しており、商品開発やVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)にも欠かせない要素となっています。



アクセントカラーの定義とスタイリング上の役割

アクセントカラーとは、ファッションコーディネートにおいて主にポイントとして配置される色であり、全体の調和を保ちつつも視線を集めるために使われます。主張の強い色や明るい色が選ばれることが多く、ベルトやバッグ、シューズ、ストール、ネイルなど、コーディネート全体に占める面積は小さいながらも高い存在感を発揮します。

例えば、モノトーンの装いに赤いバッグを合わせたり、ネイビースーツにイエローのポケットチーフを加えたりするように、アクセントカラーはコーディネートに緩急やリズムを生み、ファッション性を高める演出手法として定着しています。また、色の選び方次第で印象操作も可能であり、「暖色系で親しみやすさ」「寒色系でクールな印象」など、着用者のイメージ戦略にも応用されています。



アクセントカラーという言葉の由来と発展

アクセントカラーという用語は、英語の“accent color”に由来し、「強調された色」「目立たせるための色合い」といった意味を持ちます。インテリアやグラフィックデザインの分野では古くから用いられており、アパレル分野にもその概念が応用されてきました。

本格的にアパレル業界で使われるようになったのは、1970?1980年代以降。ファッションの多様化が進み、色彩による差別化や演出が重視されるようになったことが背景にあります。1980年代のポップカラー、1990年代のミニマルスタイル、2000年代のカラーブロックブームなど、時代ごとにアクセントカラーの役割は変化しながらも進化を続けてきました。

近年ではデジタルメディアの普及により、「SNS映え」や「ワンポイントカラー」など、視覚的インパクトを意識したスタイリングが主流となっており、アクセントカラーの選定はスタイリストだけでなく一般の消費者にとっても重要なファッションスキルのひとつとなっています。



現代のアパレル業界におけるアクセントカラーの活用と戦略

現在のアパレル業界において、アクセントカラーは商品開発・売場設計・プロモーション戦略において欠かせない要素となっています。特にシーズントレンドにおいては、毎年ごとに“今季のアクセントカラー”が設定され、それに合わせたカラーバリエーションのアイテムが企画されます。

店舗のVMDにおいては、アクセントカラーを用いたマネキンの着せ替えや、配色パターンの提示によって、顧客の購買意欲を刺激します。ECサイトでも、キーカラー別の特集やコーディネート画像の活用により、アクセントカラーの魅力を視覚的に訴求しています。

また、パーソナルカラー診断と連動したアクセントカラー提案は、近年のアパレル販売の現場における接客戦略としても注目されており、「似合う色」×「強調したいパーツ」の組み合わせを通じたスタイリング提案が増加傾向にあります。

一方、アクセントカラーは使い方によっては主張が強すぎて浮いてしまうリスクもあるため、バランス感覚や色彩理論に基づいた配色スキルが求められます。そうした点でも、カラーコーディネーターやスタイリストの知見が重要となっています。



まとめ

アクセントカラーとは、コーディネートの中で視線を引き寄せ、全体の印象を引き締める差し色や強調色のことであり、スタイルや個性を際立たせる重要なファッションテクニックです。

時代のトレンドやテクノロジーの進化とともに、アクセントカラーはますます多様な文脈で活用されており、今後もファッション表現を豊かにする不可欠な要素として、アパレル業界内外で重視され続けることでしょう。

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