ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【アパレル展示会】

アパレル業界におけるアパレル展示会とは?

アパレル業界の分野におけるアパレル展示会(あぱれるてんじかい、Apparel Exhibition、Salon de la mode)は、ブランドやメーカーが新作コレクションや製品を小売業者、バイヤー、プレス関係者に向けて発表・紹介する商業的なイベントを指します。展示会は新商品のお披露目と受注の場であり、シーズンごとの販売計画や仕入れを決定する重要な商談の機会となります。国内外のバイヤーやメディアが集まり、ブランドの世界観や商品力を視覚的・体験的に伝える場として、アパレルビジネスの根幹を支える役割を果たしています。

近年ではオンライン展示会やバーチャル空間を活用したプレゼンテーションも登場し、従来のリアル開催とのハイブリッド型へと進化を遂げています。



アパレル展示会の定義と構成要素

アパレル展示会とは、ブランド・メーカーが次のシーズンのコレクションや新商品を一斉に披露し、バイヤーとの商談やメディア露出を目的とした営業イベントです。展示会は春夏(S/S)と秋冬(A/W)にあわせて年に2回開催されるのが一般的で、会場には商品サンプル、ルックブック、受注書、スタイリングボードなどが用意されます。

来場するのは主にアパレル小売店のバイヤー、セレクトショップのオーナー、百貨店の仕入れ担当者、業界メディア、インフルエンサーなどで、各ブランドは自社の世界観を伝えるためにディスプレイや空間演出にも力を入れます。また、商談と並行して新商品の説明、納期・価格交渉、販促資料の提供なども行われ、ビジネスを加速させる場として位置づけられています。



アパレル展示会の歴史と語源の由来

展示会という言葉は、「展示」と「会」から構成され、「商品や作品を展示し、それを観覧・評価・商談するために催される場」を意味します。フランス語の「salon(サロン)」や「exposition(エクスポジション)」が語源的に近く、ファッション業界では英語の“Exhibition”も一般的に用いられます。

アパレル展示会の起源は19世紀末のパリやロンドンの高級メゾンにおける「プライベートプレゼンテーション」にあり、そこから現代のファッションウィークや合同展示会の形式へと発展しました。日本では1970年代から展示会文化が本格化し、DCブランドの流行とともに各ブランドがシーズン毎に自社開催するようになりました。

その後、渋谷や表参道のギャラリー、青山や代官山のハウススタジオなどを舞台に、多様な展示会形式が生まれ、バイヤーの購買行動やブランドの発信方法にも変化がもたらされました。



現代のアパレル展示会の特徴と変化

今日のアパレル業界において、アパレル展示会は単なる受注の場にとどまらず、ブランドのブランディング・コミュニケーション戦略の一環として重要視されています。空間演出、香り、音楽、照明などのディテールを通してブランドの世界観を表現し、参加者の記憶に残る体験を提供することが重視されています。

また、近年ではオンライン展示会の普及により、リアルとデジタルの融合が進んでいます。3Dモデルのルック展示や、バーチャル試着機能、ZOOMでの商談会など、ITツールを駆使した効率的な展示会運営が増加しています。特に海外バイヤーや遠方の小売業者に対しては、オンライン展示会が新たな販路拡大の手段として定着しつつあります。

一方で、実物の商品を直接手に取って確かめることができるリアル展示会の価値も依然として高く、ハイブリッド型展示会が業界標準となりつつあります。サステナビリティやエシカルファッションへの関心が高まる中で、展示会を通じた企業姿勢の発信も新たな注目ポイントとなっています。



まとめ

アパレル展示会とは、ブランドが新作コレクションを発表し、商談・受注・プロモーションを行うための重要なビジネスイベントであり、バイヤーとの関係構築やブランド認知の拡大にも貢献する場です。

リアルとオンラインの両立によって進化を続けるアパレル展示会は、今後もファッション業界のダイナミズムを映し出す重要な舞台として発展していくでしょう。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス