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アパレル業界におけるアパレル物流とは?

アパレル業界の分野におけるアパレル物流(あぱれるぶつりゅう、Apparel Logistics、Logistique de l’habillement)は、衣料品の原材料調達から生産、在庫管理、店舗配送、EC出荷、返品対応に至るまでの流通全般を統合的に管理する仕組みを指します。トレンドの変化が早く、商品点数やサイズ展開が多岐にわたるアパレル業界において、物流は顧客満足と売上に直結する重要なファクターです。特に近年は、迅速な出荷対応や返品処理の効率化、RFIDやWMS(倉庫管理システム)などIT技術の導入によって、物流の高度化・最適化が進んでいます。



アパレル物流の基本的な定義と重要性

アパレル物流とは、アパレル商品の調達、生産、倉庫管理、仕分け、店舗や消費者への配送、返品処理など、物流に関する一連の業務を総称したものです。衣料品の特性としてサイズやカラー展開が多いため、SKU数が膨大になりやすく、細かな在庫管理やスピーディーな納品体制が求められる点が一般物流と大きく異なります。

また、セールやシーズンの切り替えが頻繁に発生するため、物流現場では短期間に大量の商品を正確に処理する能力が求められます。店頭の陳列計画やオンラインの注文に即応できる物流体制は、ブランドの販売力や顧客満足度に直結する要素となっています。



アパレル物流の歴史と語源の背景

「物流(Logistics)」という用語は、もともと軍事用語として兵站(へいたん)を指し、物資の調達・移動・供給を意味していました。アパレル分野では1970年代以降、国内アパレルブランドが百貨店や専門店向けに商品を展開するようになり、物流センターを活用した本格的な供給体制が構築され始めました。

1990年代にはDCブランドやカジュアル衣料の拡大に伴い、SKU管理や在庫の適正化が重要視されるようになり、物流の専門会社と連携したフルフィルメント機能が注目されました。2000年代以降はSPA型ビジネスの普及により、製造から販売までを一貫して管理する中で物流の役割はさらに拡大し、現在ではサプライチェーンマネジメントの中核として位置づけられています。



現代のアパレル物流の課題とデジタル化の進展

現在のアパレル物流では、単に商品を届けるだけでなく、スピード・正確さ・効率・柔軟性が同時に求められています。特にEC需要の拡大により、小口多頻度の出荷対応、返品処理、再梱包作業の効率化が大きな課題となっています。

このため、RFIDタグの導入によるリアルタイムの在庫管理、WMSによるピッキング精度の向上、TMS(輸配送管理システム)によるルート最適化など、ITを活用したスマート物流が進んでいます。また、海外生産に依存する構造から、近年はリードタイム短縮を目的とした国内生産やアジア近隣国へのシフトが再評価される動きも見られます。

さらに、環境配慮型物流としてカーボンフットプリントの可視化や、リサイクル物流(逆物流)の整備など、サステナブルな物流戦略への取り組みも拡がっています。



まとめ

アパレル物流は、アパレル業界において商品の流れ全体を効率的かつ柔軟に管理・最適化するための重要なプロセスです。顧客満足と在庫最適化、販売機会の最大化に貢献するために、ITやサステナビリティを取り入れた革新的な物流体制の構築が今後さらに求められる分野といえるでしょう。

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