アパレル業界におけるエリ抜きとは?

アパレル業界の分野におけるエリ抜き(えりぬき、Neckline Styling、Style de col)とは、襟(えり)の位置を本来よりも後ろにずらして、首元に抜け感を与える着こなしやスタイリング技法を指します。特に和装やカジュアルファッションにおいて、女性らしさやこなれ感を演出する目的で用いられ、Tシャツやシャツの着こなしにも応用されています。スタイリッシュで自然な印象を与えるため、現代のトレンドでも重要なスタイリング要素となっています。



エリ抜きの語源と歴史的背景

エリ抜きの起源は、主に和装文化に見られます。特に着物を着る際に、襟元を少し後ろに引いて首筋を見せるスタイルが「衿を抜く」と呼ばれており、これが語源となっています。このスタイルは、江戸時代の女性たちの粋な着こなしとして始まり、うなじの美しさを強調するために意識的に取り入れられてきました。

その後、洋装が主流となった現代においても、このスタイルのエッセンスは引き継がれ、特に女性のカジュアルファッションにおいて「エリ抜き」として再評価されています。和装と洋装が融合する日本独自の着こなし文化の中で、重要な要素の一つとして定着しました。



現代ファッションにおけるエリ抜きの応用

現在のアパレル業界では、エリ抜きはスタイリングのテクニックとして多用されています。特にシャツやTシャツ、ブラウスなどの襟付きアイテムにおいて、襟元をあえて後ろに引いて着用することで、リラックス感と抜け感を演出することができます。

この技法は、肩のラインを落とし、デコルテや首元の肌を程よく見せることで女性らしさを引き立てる点が特徴です。また、あえてサイズ感の大きいトップスを用いて「エリ抜き」を強調するスタイリングも人気があり、ストリート系やナチュラル系ファッションにおいてもよく見られます。

アイテム自体にエリ抜き風のデザインが施されている場合もあり、パターンメイキングの段階で衿ぐりの傾斜を調整することで、自然に後ろへ抜ける形状を実現しています。



エリ抜きが与える印象と今後の展望

エリ抜きスタイルは、着用者にこなれた印象を与える効果があります。特にオーバーサイズのシャツやVネックとの相性がよく、スタイルアップ効果も期待されるため、多くのファッションブランドがこの要素を意識してデザインしています。

今後も和の要素を取り入れたファッションスタイルや、ラフでナチュラルな着こなしを重視するトレンドの中で、エリ抜きのテクニックはますます注目されるでしょう。また、性別や年齢を問わず取り入れやすいスタイリング技法として、ユニセックスなファッションの中でも存在感を増しています。



まとめ

エリ抜きとは、襟元にゆとりと動きを加えることで、自然な色気や洗練された印象を演出するスタイリングテクニックです。和装の美意識を源流としながら、現代のカジュアルファッションにも浸透することで、日本のファッション文化における独特な魅力を発揮しています。

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