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アパレル業界におけるエルボーパッチとは?

アパレル業界の分野におけるエルボーパッチ(えるぼーぱっち、Elbow Patch、Renfort de coude)とは、衣類の肘(ひじ)の部分に縫い付けられる補強布や装飾素材のことを指します。もともとは摩耗しやすい肘部分を補強するために使用されていましたが、現在ではファッション性を重視した装飾要素としても活用されています。ジャケットやニット、シャツなどに多く見られ、実用性とデザイン性の両面で重要な役割を担っています。



エルボーパッチの起源と歴史

エルボーパッチの歴史は古く、起源は19世紀のヨーロッパにさかのぼります。主にハンティングジャケットや作業着などの実用衣料において、摩耗しやすい肘部分を補強する目的で使用されていたのが始まりです。特にツイード素材を用いたブリティッシュスタイルのジャケットでは、スエードやレザーなどの丈夫な素材を使用したエルボーパッチが多く見られました。

その後、エルボーパッチは単なる実用的要素にとどまらず、装飾性やスタイルの象徴として広く普及し、アカデミックスタイルやプレッピースタイルの一部としても認識されるようになりました。



現代ファッションにおけるエルボーパッチの役割

現在では、エルボーパッチはデザイン要素としての存在感が増しており、実用性に加えてファッション性を意識して取り入れられています。ジャケットやニット、シャツに装飾的に縫い付けられ、クラシックで知的な印象や、ヴィンテージ感を演出するために活用されることが多くなっています。

使用される素材も多様で、従来のスエードやレザーに加えて、デニムやフェルト、異素材ミックスなど、ブランドごとの個性が表れやすいパーツのひとつとなっています。また、パッチの形状も円形、楕円形、四角形などがあり、洋服全体のデザインと調和させながら配置されます。

加えて、パッチにステッチや刺繍を施したり、カラーバリエーションを持たせたりすることで、よりファッショナブルな印象を与える工夫も見られます。



エルボーパッチの今後とデザインへの影響

エルボーパッチは、近年のサステナブルファッションやリメイクブームとも親和性が高い要素として再評価されています。古着やダメージ衣料の補修・再利用の一環として、肘部分にパッチを加えることで耐久性を向上させ、独自のデザインアクセントとしても活用されています。

また、ユニセックスなデザインやノームコアスタイルの中でも、シンプルなアイテムにさりげない装飾としての役割を果たし、ブランドやデザイナーの意図を反映するディテールとして重視される傾向にあります。



まとめ

エルボーパッチは、肘部分の補強という機能性を出発点としながら、現在ではスタイルや世界観を表現する装飾要素として定着しています。クラシックからモダン、カジュアルからフォーマルまで、幅広いスタイルに応用される汎用性の高いディテールであり、アパレルデザインにおける重要な存在のひとつです。

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