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アパレル業界におけるオーガニックコットンとは?

アパレル業界の分野におけるオーガニックコットン(おーがにっくこっとん、Organic Cotton、Coton biologique)とは、化学肥料や農薬を使わずに、3年以上有機農法で栽培された綿花から作られるコットン素材のことです。環境への配慮や生産者の健康・安全に重点を置いた持続可能な素材として注目され、アパレル製品においては特にエシカルファッションやサステナブルブランドによって積極的に採用されています。



オーガニックコットンの定義と歴史的背景

オーガニックコットンとは、環境や生態系への負荷を減らすために、農薬や化学肥料を一切使用せずに育てられた綿花から作られる素材です。この定義には、単なる無農薬という観点だけでなく、土壌の保全、水資源の保護、そして農家の労働環境まで含む包括的な基準が設けられており、第三者機関による認証が必要とされます。

オーガニックコットンの概念は1980年代に欧米を中心に広がり始めました。特に環境意識の高まりとともに、地球温暖化や農薬による健康被害が問題視される中、アパレル業界でもその重要性が再評価されるようになりました。現在ではGOTS(Global Organic Textile Standard)やOCS(Organic Content Standard)といった国際基準が整備され、世界各国で流通が拡大しています。



アパレル分野におけるオーガニックコットンの活用と特徴

アパレル分野において、オーガニックコットンは主にTシャツやシャツ、インナーウェア、ベビー服、寝具など肌に直接触れる製品に使用されることが多く、消費者の安全志向やエコ意識に応える素材として人気を集めています。

その特徴は、肌にやさしくアレルギーを起こしにくい点、吸水性と通気性が高い点、そして一般的なコットンよりも柔らかく仕上がる点が挙げられます。また、環境保護や人権保護の観点から製造背景が重視されるファッションブランドでは、オーガニックコットンを使用することが企業姿勢の表明にもつながります。

加えて、トレーサビリティ(生産履歴の追跡可能性)の確保やフェアトレードとの連携など、サプライチェーン全体を意識した展開も進んでおり、単なる素材ではなくブランドのアイデンティティ形成に寄与しています。



今後の展望と課題

サステナビリティが重要視される中で、オーガニックコットンの需要は今後も拡大が予想されます。しかし、その一方で生産量が限られており、通常のコットンに比べて価格が高いことや、収穫量の不安定さ、認証取得の手間などが課題として残されています。

これらの課題を解決するためには、消費者への理解促進や価格に見合った価値の提示、認証制度の透明性向上が求められます。また、生産者への支援体制の整備や、オーガニック素材を使用した新しいデザインの提案など、業界全体での取り組みが鍵となるでしょう。



まとめ

オーガニックコットンは、自然環境や生産者への配慮を基盤とした持続可能な素材として、アパレル業界において重要な位置を占めています。単なるファッションの素材ではなく、社会的責任やブランド理念を体現する要素として今後ますます注目される存在になるでしょう。

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