ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【カントリー調】

アパレル業界におけるカントリー調とは?

アパレル業界の分野におけるカントリー調(かんとりーちょう、Country Style、Style Campagnard)とは、牧歌的で自然と調和した雰囲気を持つスタイルを指し、素朴さや温かみを感じさせるファッションやテキスタイルデザインに広く用いられる用語です。アメリカやヨーロッパの田舎暮らしをイメージさせるチェック柄、レース、フリル、デニム、リネンなどが特徴で、ナチュラル志向のファッションやライフスタイルの中でも人気の高いカテゴリです。



カントリー調の起源と言葉の背景

カントリー調という言葉は、英語の「country=田舎・地方」に由来し、都市的・洗練とは対照的な、素朴で自然な暮らしぶりや装いを意味しています。アメリカの開拓時代のウェスタンスタイルや、イギリスの田園生活を連想させるファッションが原型とされており、ナチュラルな風合いや手仕事感を重視したスタイルが特徴です。

19世紀から20世紀初頭にかけての農村地帯では、機能性と保温性を重視した衣服が主流であり、チェックやギンガム、フランネル、手編みのニットなどが用いられていました。これらの素材やパターンが、20世紀後半以降にファッションとして再評価されるようになり、「カントリー調」という名称で日本でも定着しました。



ファッションにおけるカントリー調の特徴

アパレル分野においてカントリー調は、自然素材や温もりを感じさせるディテールが重要な要素とされます。典型的なアイテムとしては、ギンガムチェックのブラウス、レース付きのエプロンドレス、フリルスカート、コットンやリネンのシャツ、カウボーイ風ブーツ、デニムジャケットなどが挙げられます。

また、色彩はアースカラーが中心で、ベージュ、ブラウン、オリーブ、ネイビーなど、自然に調和した落ち着いた色味が選ばれやすいです。刺繍やパッチワークといった手作業的要素も多用され、着る人の温かみや優しさを演出します。

近年では、カントリーミュージックやカントリーライフをテーマにしたフェスティバルの影響もあり、レトロでノスタルジックな雰囲気を求める若い世代からの人気も高まっています。



現代におけるカントリー調の活用と進化

カントリー調は、ただの懐古的なスタイルにとどまらず、サステナブルやスローファッションといった現代的な価値観とも親和性が高く、エシカルファッションとして再注目されています。地元生産の素材を用いた衣服や、長く使える耐久性のあるデザインが支持されており、環境に配慮したスタイルの象徴としての一面も持ちます。

ファストファッションに対するカウンターとして、ハンドメイドやリメイク、アップサイクルといった手法とも結びつき、個人のライフスタイルに合わせたファッション提案として展開されています。こうした動きは、都会的な洗練よりも「暮らしの豊かさ」や「素材の温もり」を大切にしたスタイルを求める消費者のニーズを反映しています。

また、カントリー調の要素を部分的に取り入れるコーディネートも増えており、デニムパンツにギンガムシャツを合わせる、ワンピースにレースのエプロン風アイテムを重ねるといったミックススタイルも定着しています。



まとめ

カントリー調は、自然との共生や素朴さを重視するスタイルとしてアパレル分野で長く親しまれてきました。そのルーツは農村生活や手仕事にあり、現代でもサステナブル志向やノスタルジーを求めるファッションにおいて重要な位置を占めています。時代を超えて人々の感性に訴えかける、あたたかみのあるスタイルとして今後も発展していくでしょう。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス