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アパレル業界におけるカンガルーポケットとは?

アパレル業界の分野におけるカンガルーポケット(かんがるーぽけっと、Kangaroo Pocket、Poche kangourou)とは、スウェットパーカーやフーディーなどに見られる、前身頃の中央に配置された大きな一体型ポケットを指します。左右から手を入れられる構造で、見た目や機能性の面で優れたディテールとして親しまれており、リラックス感やカジュアルな印象を演出する重要な要素です。



カンガルーポケットの構造と名前の由来

カンガルーポケットは、前身頃に一枚の大きな布を縫い付け、左右から手が入るように開口部が設けられたポケットです。この構造は、まるでカンガルーの腹部にある育児用の袋のように見えることから、英語で「カンガルーポケット」と呼ばれるようになりました。

一般的にスウェットやフード付きパーカー(フーディー)に使用されることが多く、両手を同時に温めることができるほか、スマートフォンや財布など小物を収納するのにも適しています。見た目にもインパクトがあり、シルエットのアクセントとしても機能します。



カジュアルウェアとの関係と普及の経緯

このポケットのデザインは、20世紀半ばにアメリカのスポーツウェアブランドが、作業着や運動着としての利便性を追求する中で生まれました。当初は冷えやすい屋外作業員のための手袋代わりに導入されたともいわれています。

その後、スウェットシャツがカジュアルウェアやストリートファッションとして進化する中で、カンガルーポケットはパーカーの定番ディテールとなり、多くのブランドが取り入れるようになりました。1990年代以降は、ヒップホップやスケートカルチャーとも結びつき、ユースカルチャーの象徴的アイテムとしての地位を確立しています。



現代ファッションにおける用途とデザインの広がり

現代のファッションでは、カンガルーポケットは実用性だけでなく、デザインの一部としての役割も果たしています。オーバーサイズのシルエットやビッグシルエットのパーカーに配されることで、ボリューム感を演出し、全体のコーディネートにラフさや抜け感を与えます。

また、アスレジャーやアウトドアテイストのファッションでも重宝され、ナイロンやテック素材のアウターやスウェットパンツなどにも応用されています。デザインのバリエーションも多く、ジップ付きや二重構造、フラップ付きのタイプなどが登場しており、より機能性を重視した仕様も見られます。

一方で、ミニマルなデザインを重視するブランドでは、敢えてカンガルーポケットを排除したり、切り替えを目立たせない手法で取り入れるなど、用途に応じた使い分けが行われています。



まとめ

カンガルーポケットは、アパレルにおける機能性とデザイン性を兼ね備えたディテールとして定着しています。その親しみやすい見た目と高い実用性から、パーカーやスウェットに限らず、幅広いアイテムに応用され続けており、今後もカジュアルファッションの重要な要素として支持されるでしょう。

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