ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【クレジットライン】

アパレル業界におけるクレジットラインとは?

アパレル業界の分野におけるクレジットライン(くれじっとらいん、Credit Line、Ligne de cr?dit)とは、取引先との間で事前に設定される信用供与の枠を意味します。主に卸売業者や小売業者が仕入れ時に商品代金を即時支払うことなく、一定期間後に支払うことを認めてもらう信用取引制度であり、与信枠とも呼ばれます。資金繰りや在庫回転に影響するため、アパレルビジネスにおいて重要なファイナンスのひとつです。



クレジットラインの意味と由来

クレジットラインは、英語の “Credit” (信用)と “Line” (線・枠)を組み合わせた言葉で、金融や商取引において「信用の範囲」や「与信限度枠」を示します。アパレル業界においては、メーカーやブランドが取引先の小売店・セレクトショップなどに対し、一定金額までの取引を信用で提供する仕組みを指します。

この概念は欧米のファッションビジネスにおいて広く活用されてきたもので、キャッシュフローの流動性が求められるアパレル業界で発展してきました。特に展示会やシーズン前の受注会での商取引において、クレジットラインは重要な役割を果たします。



アパレル業界における実務的な使われ方

アパレル業界では、商品を仕入れてから販売するまでに一定のリードタイムが発生するため、資金繰りが大きな課題となります。ここでクレジットラインが活用されると、仕入先から商品を先に受け取り、支払いを一定期間(30日~90日など)後に行う「掛け取引」が可能になります。

この枠は、取引の信頼性、過去の実績、支払遅延の有無などを踏まえて設定されるため、与信管理の対象にもなります。新規取引先に対してはクレジットラインが設定されない場合も多く、その場合は現金先払い(前金)などが求められます。



現在のアパレルビジネスにおける役割

今日のアパレルビジネスでは、サプライチェーンの多様化や小ロット・短納期の取引増加により、クレジットラインの調整がますます重要になっています。特に独立系のセレクトショップや新興ブランドにとっては、十分なクレジットラインがないと仕入れが難しく、事業拡大の足かせとなることがあります。

一方で、ブランド側にとってもリスク管理が重要であり、未払いリスクや倒産リスクを回避するために、与信枠の見直しや保険の活用が行われるケースも増えています。また、クラウド会計やフィンテックの導入によって、リアルタイムな与信管理も進化しつつあります。



まとめ

クレジットラインは、アパレル業界における資金の流れと信用取引の健全性を支える制度であり、ビジネスの規模や信頼性に応じた適切な設定が求められます。ブランドと小売業者双方にとって、効率的で信頼ある商取引の基盤となる重要なファイナンスの一部です。

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