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アパレル業界におけるコンセプトワードとは?

アパレル業界の分野におけるコンセプトワード(こんせぷとわーど、Concept Word、Mot conceptuel)とは、ブランドやコレクション、商品企画の方向性や世界観を象徴するキーワードのことを指します。これらの言葉は消費者の感情やイメージに訴え、デザインやプロモーションの一貫性を保つうえで重要な役割を果たします。言葉ひとつでブランドの理念や価値観を伝えるための戦略的ツールです。



コンセプトワードの成り立ちと語源

コンセプトワードは、1980年代後半から1990年代にかけてのブランドマーケティングの高まりとともに定着し始めた言葉です。「コンセプト」は「概念」や「構想」、「ワード」は「単語」や「言葉」を意味し、両者が合わさることでブランドや商品開発の思想を端的に伝えるためのキーフレーズを示します。

特にアパレル業界では、毎シーズン発表される新コレクションごとにテーマを設定し、その方向性を象徴するキーワードが求められるようになったことで、コンセプトワードが企画の中核を担うようになりました。



アパレル業界におけるコンセプトワードの役割

コンセプトワードは、商品開発やデザインの起点として機能し、制作スタッフ間の共通認識を形成する手がかりとなります。たとえば、「エフォートレス(Effortless)」「リュクス(Luxe)」「モダンボヘミアン(Modern Bohemian)」といった言葉は、それぞれ特定の感覚やライフスタイル、デザインテイストを呼び起こします。

このような言葉を用いることで、シーズンテーマのもとに複数の商品を整合性のある形で展開でき、ブランドの統一感や世界観を強化することができます。また、コンセプトワードは店舗ディスプレイや広告コピー、SNS投稿などにも反映されることが多く、消費者とのコミュニケーションにおいても不可欠な要素です。



現代の活用例とコンセプトワードの進化

現在では、コンセプトワードは単にデザインの方向性を示すだけでなく、社会的価値や感情的共鳴を意識したキーワード選定が求められています。たとえば、「サステナブル(Sustainable)」「ダイバーシティ(Diversity)」「ウェルネス(Wellness)」といった、時代のムードや社会課題に即した言葉がブランドのアイデンティティを形作ることもあります。

また、グローバル展開を前提としたブランドでは、言語や文化の壁を越えるような抽象的で印象的なワードが選ばれることもあります。コンセプトワードは、今や単なる演出手法を超え、企業理念やメッセージを短く凝縮して伝える力を持つ言語戦略の一環と位置づけられています。



まとめ

コンセプトワードは、アパレル業界においてブランドや商品が表現するべき世界観や価値観を端的に示すキーワードです。その選定と活用は、社内のクリエイションやマーケティング戦略、さらには消費者との感情的な接点にも大きく影響を及ぼします。時代の空気をとらえた的確な言葉の力が、ブランドの魅力を最大限に引き出す鍵となるのです。

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