ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【スタジオ撮影】

アパレル業界におけるスタジオ撮影とは?

アパレル業界の分野におけるスタジオ撮影(すたじおさつえい、Studio Shooting、Tournage en studio)とは、屋内の専用撮影スタジオにて行われる、衣服やアクセサリーの撮影手法を指します。天候に左右されず、ライティングや背景などを細かく調整できる点が利点で、ブランドのルックブックやECサイト用のビジュアル制作に多用されます。



スタジオ撮影の基本的な役割と重要性

スタジオ撮影とは、アパレル製品を商品写真として魅力的に伝えるために、照明・カメラ・背景が整った専用スタジオで撮影を行う手法のことです。モデルを起用した着用カット、マネキンに着せた立体的なカット、あるいは商品単体の「物撮り」まで幅広く対応します。

天候や外的環境に左右されず、常に一定の光量・背景・温度環境を保てるため、商品撮影においてもっとも安定した品質を担保できる方法とされています。ブランドの世界観を正確に表現し、EC販売やカタログ掲載において購買意欲を刺激する重要な要素です。



スタジオ撮影の歴史と発展

スタジオ撮影の起源は19世紀の写真技術の誕生と共にさかのぼりますが、アパレル業界での本格的な活用は、ファッション写真の隆盛期とされる20世紀中盤からといわれます。特に1950?60年代にかけて、VOGUEやHarper’s BAZAARといったファッション誌が台頭し、専用スタジオでのビジュアル演出が重要な役割を果たすようになりました。

当初はファッション広告やコレクションの記録として利用されていましたが、時代とともにカタログや通販媒体、デジタルコンテンツの増加により用途が拡大。現代ではブランドごとに独自の撮影スタジオを保有する企業もあり、プロのカメラマンやスタイリスト、レタッチャーなど多くの専門職と連携して高品質なビジュアルを制作しています。



現在のスタジオ撮影とその多様化

現代のアパレルにおけるスタジオ撮影は、商品をただ見せるだけでなく、ブランドのストーリー性や世界観を視覚的に伝える役割を担っています。背景にカラーボードを用いた抽象的表現、映像と連動したルック撮影、AR/VRと組み合わせたイメージカットなど、表現手法も年々進化しています。

特にEC市場の拡大により、1商品につき数カット(正面・側面・背面・ディテールなど)の画像が求められることが常態化しており、撮影効率と表現の両立が課題となっています。これに対し、スチール撮影だけでなく動画撮影や360度ビューなどの多角的なコンテンツ制作も盛んに行われるようになっています。

また、AIによる背景除去やレタッチ技術の進化により、より洗練されたビジュアルが短時間で制作可能となっており、スタジオ撮影の工程も変化しています。プロフェッショナルな空間で行うことで、商品の質感やカラー、シルエットを忠実に再現でき、ブランドの価値訴求にもつながっています。



まとめ

スタジオ撮影は、アパレル業界において商品価値を的確かつ魅力的に伝えるための欠かせない手法です。歴史的背景を持ちながらも、時代のニーズに応じて進化し続けるその役割は、今後もデジタルコンテンツの中核としてますます重要性を増していくでしょう。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス