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アパレル業界におけるスペック表とは?

アパレル業界の分野におけるスペック表(すぺっくひょう、Specification Sheet、Fiche Technique)とは、衣服の製造に必要な詳細情報をまとめた文書を指します。サイズ寸法や使用素材、縫製仕様、洗濯表示などが記載され、パターン作成やサンプル制作、量産時の品質管理において欠かせない資料です。正確なスペック表は、生産工程の円滑化と製品の品質維持に大きく貢献します。



スペック表の定義とアパレル業界での役割

スペック表とは、「Specification(仕様)」と「Sheet(表)」を組み合わせた言葉で、衣類の設計図ともいえる重要な書類です。アパレルの現場では、デザイナーの意図をパタンナーや縫製担当者に正確に伝える手段として使われています。

具体的には、衣服の各部位(肩幅、袖丈、着丈、身幅など)の数値、使用する素材の種類と組成、縫い方の指定、仕上げ加工の内容、付属品の情報などを網羅し、指示にブレが出ないように整理された文書がスペック表です。



スペック表の歴史と発展

スペック表の概念は、戦後の工業化によって衣服の大量生産が始まった頃から普及しました。以前は職人の経験と勘に頼る部分が多かった衣服づくりですが、大量生産の現場では、誰が作っても同じ品質になるための標準化が求められました。

このニーズに応える形で、製品情報を一元化・数値化したスペック表が登場し、1970年代以降、特に大手アパレルメーカーを中心に導入が進みました。CADソフトの導入やクラウドによるデータ共有が進んだ近年では、スペック表のデジタル化が一般化しています。



現在の活用法とその重要性

現代のアパレル業界では、スペック表は製造工程の全体をつなぐコミュニケーションツールとして活躍しています。デザイナー、パタンナー、生産管理、縫製工場、検品担当など、異なる職種間で共通の基準を共有することで、品質ブレや誤解を防ぎます。

特に海外工場とのやりとりでは、図と数値だけで正確な意図を伝える必要があるため、スペック表の精度がそのまま製品の品質に直結します。また、洗濯表示や素材構成の表記もスペック表に含まれ、法令対応や表示ラベルの作成にも関わります。



まとめ

スペック表は、衣服の完成度を高めるための基礎資料として、アパレル業界に不可欠な存在です。製造工程の円滑な進行、品質の安定、関係者間のスムーズな連携を実現するためにも、正確かつ詳細なスペック表の作成と運用が求められています。

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