ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【テーラードジャケット】

アパレル業界におけるテーラードジャケットとは?

アパレル業界の分野におけるテーラードジャケット(てーらーどじゃけっと、Tailored Jacket、Veste tailleur)とは、テーラリング技術に基づいて仕立てられた構築的なシルエットを持つジャケットのことを指します。スーツの上着として着用されることが多く、肩や襟、ウエストのラインが計算された美しいフォルムが特徴です。フォーマルからカジュアルまで幅広いスタイリングに対応し、ジェンダーレスなアイテムとしても定着しています。



テーラードジャケットの定義と特徴

テーラードジャケットとは、身体に合わせて立体的に仕立てられたジャケットであり、肩や胸、ウエストのラインを美しく整える構造的な縫製が特徴です。通常はラペル(下襟)、パッド入りの肩、裏地付きの構造を持ち、きちんとした印象を与えるデザインとなっています。

一般的にウールやツイル、フラノなどのしっかりとした素材で作られ、フォーマルなビジネスウェアとしてだけでなく、カジュアルな場面にも応用できるよう、コットンやリネンなど軽めの素材で作られたモデルも存在します。1つボタン、2つボタン、ダブルブレストなどの前合わせのバリエーションも豊富で、用途や好みに応じた選択が可能です。



語源と歴史的背景

テーラードという語は、「仕立て屋」を意味する英語「tailor」に由来し、体型に合わせて仕立てられた服を指します。ヨーロッパの王侯貴族が着用していた宮廷服を起源とし、18世紀には構築的な上着として発展しました。

19世紀に入ると、イギリスのサヴィル・ロウで発展した紳士服のテーラリング技術が洗練され、ビジネススーツの原型が形成されます。特に軍服のデザインやシルエットが影響を与え、現在のテーラードジャケットの原形が確立されました。20世紀にはレディースウェアにも取り入れられ、1920年代のシャネルによる女性用テーラードジャケットの登場は、女性の社会進出とともに大きなインパクトを与えました。



現代における使用実態とファッション展開

現在のアパレル業界では、テーラードジャケットはスーツの一部としての役割を超え、日常のスタイリングにも取り入れられる重要なアイテムとなっています。ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルの定番としてはもちろん、Tシャツやデニムと合わせたラフなスタイルにも好相性です。

また、性別や年齢を問わず人気があり、オーバーサイズやショート丈、ウエストマーク付きなど多様なシルエットが展開されています。近年では、ジェンダーレスなデザインやサステナブル素材を用いたジャケットも増え、ファッション性と社会的意識の融合を体現するアイテムとしても注目されています。



まとめ

テーラードジャケットは、長い歴史とテーラリング技術に支えられた、構築的かつエレガントなアイテムです。時代とともに進化を遂げながら、フォーマルからカジュアルまで幅広く活用され、今後も多様なスタイルにおいて重要な役割を果たし続けることが期待されます。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス