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アパレル業界におけるアシンメトリーとは?

アパレル業界の分野におけるアシンメトリー(あしんめとりー、Asymmetry、Asym?trie)とは、左右または上下で形状やデザインが異なる非対称なスタイルのことを指します。対になる要素をあえて揃えず、視覚的な変化や独特の印象を与えるファッション手法として知られ、ドレスやトップス、スカート、アクセサリーなど幅広いアイテムで用いられています。現代のモード系ファッションをはじめ、多様なデザインに取り入れられています。



アシンメトリーの基本的な意味とファッションでの定義

アシンメトリーとは、左右対称(シンメトリー)ではない非対称なデザインを意味する用語で、アパレル業界では形状、丈、カット、模様などが片側だけ異なる衣服や装飾のスタイルを指します。たとえば、右側が長く左側が短いスカートや、片方の肩だけ露出するワンショルダートップスなどがその典型例です。

このスタイルは視覚的なリズムや個性を演出するための手法として用いられ、シンプルなデザインに変化を加えたい場合や、前衛的でアート性のあるファッションを追求する際によく選ばれます。また、着る人の体型や動きによって生まれるラインの変化も楽しめるという魅力があります。



語源とデザイン史における背景

アシンメトリーという語は、ギリシャ語の「a(否定)」+「symmetria(対称)」を語源とし、英語では「asymmetry」、フランス語では「asym?trie」と表記されます。もともとは建築や美術、数学などの分野で用いられていた言葉で、完璧な均衡ではなく、動的な美しさを生み出す要素として評価されてきました。

ファッションにおけるアシンメトリーの概念は、20世紀初頭のアバンギャルドなデザイナーたちの挑戦によって注目されました。特に1930年代のマドレーヌ・ヴィオネや、1970年代の川久保玲(コム・デ・ギャルソン)らが非対称性を意図的にデザインに取り入れ、均衡を破ることによる芸術的表現が新たな潮流となりました。



現代ファッションにおけるアシンメトリーの応用

今日のアパレル業界では、アシンメトリーは多くのジャンルにおいて重要なデザイン手法とされています。たとえばドレープ感を活かしたワンピースや、異素材を片側にのみ用いたコート、アンバランスな裾や袖の長さを意図的にデザインしたトップスなど、ファッションにおける個性の象徴として高く評価されています。

特にストリート系やモード系ファッションでは、非対称性がもたらす不均衡なバランスがトレンド感を生み、スタイリングのアクセントとして重要な役割を果たします。また、フォーマルウェアや舞台衣装などでも、視覚的インパクトやドラマ性を演出するためにアシンメトリーなカットや構成が好まれています。



まとめ

アシンメトリーは、意図的に対称性を崩すことで生まれる美しさを活かしたデザインであり、アパレルにおいてはスタイルの多様性や表現の自由を象徴する技法です。建築や芸術の世界から影響を受けながら、ファッションの世界で進化を遂げたこの手法は、今後も創造的なデザインを支える重要な要素であり続けるでしょう。

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