アパレル業界におけるアクリルとは?

アパレル業界の分野におけるアクリル(あくりる、Acrylic、Acrylique)とは、アクリロニトリルという化学物質を主成分として作られる合成繊維の一種で、軽量で保温性に優れ、ウールに似た風合いを持つのが特徴です。毛糸やニット製品をはじめ、セーターやマフラー、手袋などに広く用いられ、肌触りや発色性の良さから日常衣料として高い人気があります。また耐久性にも優れており、家庭での洗濯にも対応できる利便性を持っています。



アクリル繊維の基本的な定義と特徴

アクリルは、アクリロニトリルを主成分とする合成繊維で、正式には「アクリル系繊維」あるいは「ポリアクリロニトリル系繊維」と呼ばれます。ウールに似た柔らかな感触と高い保温性を持ちながら、天然繊維よりも軽く、耐久性や洗濯耐性に優れている点が特徴です。

アパレル分野では特に、秋冬用のニットウェア、セーター、カーディガン、帽子、マフラーなどに幅広く使われており、ウールの代替繊維として知られています。また、染色性が良く、カラーバリエーションの展開も容易なため、ファッション性にも富んだ素材といえます。



アクリルという名称の語源と開発の歴史

アクリルという名称は、化学構造に由来しており、アクリル酸(acrylic acid)をベースとしたポリマーから作られることに起因します。1940年代にアメリカのデュポン社が初めて工業化に成功し、商品名「オーロン(Orlon)」として市場に登場しました。

当時のアパレル業界では天然素材が中心であったため、ウールに似た風合いと手入れのしやすさを兼ね備えたアクリル繊維は画期的な新素材として注目を集めました。その後、日本を含む世界各国で生産体制が整備され、現在では大量生産が可能な実用素材として広く普及しています。



現代アパレルにおけるアクリルの用途と位置づけ

現代のアパレル業界において、アクリルは、コストパフォーマンスの高さと扱いやすさから、カジュアル衣料を中心に非常に多く用いられています。たとえば、家庭で気軽に洗えるセーターや、チクチクしにくいニットキャップ、ふんわりとした風合いを持つストールなどに活用されています。

また、近年では他素材との混紡による風合いの向上や、環境配慮型のアクリル繊維の開発も進められており、機能性とサステナビリティの両立が求められる中での再評価も進んでいます。一方で、静電気が発生しやすい、毛玉ができやすいといったデメリットもあるため、商品の設計段階での工夫が重要です。



まとめ

アクリルは、合成繊維でありながら天然素材に近い風合いを持ち、軽量かつ保温性に優れた素材としてアパレル分野で広く活用されています。1940年代からの開発と普及を経て、今日ではファッション性、実用性、環境対応の観点からも注目される繊維素材の一つとして位置づけられています。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス