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アパレル業界におけるアンコンジャケットとは?

アパレル業界の分野におけるアンコンジャケット(あんこんじゃけっと、Unconstructed Jacket、Veste d?structur?e)とは、裏地や肩パッド、芯地といった補強部材を取り除いた、軽量で柔らかい仕立てのジャケットを指します。身体に自然になじむ着心地やカジュアルな印象を特徴とし、フォーマルすぎない軽やかな装いを求める現代のライフスタイルにマッチしたアイテムです。イタリア仕立てに代表されるデザインで、ビジネスからリゾート、タウンユースまで幅広いシーンで活用されています。



アンコンジャケットの基本的な定義と特徴

アンコンジャケットとは、従来のテーラードジャケットに備わっている裏地・肩パッド・芯地などの構造パーツを省略または最小限にとどめた仕様のジャケットです。「アンコンストラクテッド(Unconstructed)」という言葉が意味する通り、構造に縛られず、柔らかく軽やかな仕立てが最大の特徴です。

身体のラインに自然に沿い、着る人の動きに合わせてフィットするため、快適性が高く、着心地も非常に軽快です。一般的なスーツジャケットに比べてカジュアル寄りでありながら、素材やディテール次第でフォーマルな印象にも仕上げることができるため、オン・オフ問わず幅広く活用できます。



言葉の由来と誕生の背景

アンコンジャケットの語源は、「構築された」を意味する“constructed”に否定の接頭語“un”がついた“unconstructed”です。これは構造を意図的に取り払うことを表しており、ファッション業界ではジャケットの構造的要素を省いたデザインを指す言葉として定着しています。

その起源はイタリアのクラシコ(クラシックスタイル)にあります。特に南イタリア・ナポリの高温多湿な気候に適応するため、軽く、風通しのよい仕立てを追求した結果、生まれたのがアンコンジャケットです。20世紀半ばから1960年代にかけてイタリアンスタイルの象徴として注目され、のちに世界中のメンズファッションに広がっていきました。



現代における使われ方と進化

現在、アンコンジャケットは春夏の軽装ジャケットとしてだけでなく、年間を通じて着用される重要なカテゴリーの一つになっています。例えば、ビジネスシーンにおいてはクールビズやオフィスカジュアルの一環として定番化しており、リモートワークや移動の多い職種などでも支持されています。

また、ファッションの多様化により、リネンやストレッチ素材、ウール混などさまざまな素材を用いた製品が展開されており、「堅苦しさを抑えつつ、きちんと感を保ちたい」というニーズに応えるアイテムとして注目されています。カラーやディテール、シルエットの工夫により、セットアップにも単品使いにも適しており、男性のみならず女性用のジャケットにも応用されています。



まとめ

アンコンジャケットは、伝統的なテーラードスタイルに柔軟性と快適性を加えた現代的なジャケットとして、アパレル業界において高い評価を受けています。そのルーツはイタリアの気候や文化に根ざしていますが、グローバルに通用する実用性と美しさを備えており、今後も幅広いスタイルで進化を続けていくと考えられます。

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