アパレル業界におけるオープンカラーとは?
アパレル業界の分野におけるオープンカラー(おーぷんからー、Open Collar、Col ouvert)は、首元にボタンがなく、開いた形状を持つ襟のデザインを指します。主にカジュアルシャツに使われるスタイルで、開放感とリラックスした印象を与えます。夏場のアイテムやリゾートウェアに多く取り入れられ、近年ではビジネスカジュアルとしての利用も増えています。
オープンカラーの起源と語源について
オープンカラーという名称は、「開いた襟」を意味する英語の 'Open Collar' に由来しています。このデザインは、20世紀初頭のアメリカにおいてカジュアルシャツのスタイルとして誕生しました。特に1930年代から1950年代のアメリカのリゾート地やハワイで流行し、'カンパオラシャツ' や 'ボーリングシャツ' などのアイテムに多く採用されました。
また、南欧や中南米でも伝統的に採用されてきたスタイルであり、首元の開放感から「涼しさ」や「自由さ」を象徴するデザインとして広まりました。現在では「開襟シャツ」とも呼ばれ、日本国内でも馴染みのある名称として定着しています。
オープンカラーの構造と特徴
オープンカラーは、第一ボタンや台襟(スタンドカラー)を持たず、折り返された襟が自然に開いた形状になっているのが特徴です。このため、首周りの締め付けがなく、軽やかでリラックスした印象を与えます。
通常、シャツの前立て部分はボタンで留められますが、襟元のボタンが省略されているため、ネクタイなどとの相性は良くなく、フォーマルな場面よりもカジュアルシーンに適しています。素材にはリネンやコットンなど、通気性の良いものが多く用いられ、夏季の着用に適したデザインとされています。
現代におけるオープンカラーの使われ方とファッションへの影響
現在では、オープンカラーはカジュアルシャツとしてだけでなく、ビジネスカジュアルやモード系のスタイルにも応用されています。特に、ジャケットのインナーとして使用することで、堅すぎない印象を与えつつ、程よい抜け感を演出できるため、ファッション性の高いコーディネートが可能となっています。
また、性別問わずユニセックスなデザインとしても広く採用され、レディースウェアにおいてはフレアスリーブやシフォン素材と組み合わせてフェミニンな印象を持たせることもあります。リゾートや旅行用のシャツ、ビーチウェア、さらには現代のファッションブランドでも積極的に展開され、デザイン性と実用性を兼ね備えた定番スタイルとして確立しています。
まとめ
オープンカラーは、リラックス感と開放感を兼ね備えた襟のデザインとして、カジュアルスタイルの中核をなす要素です。歴史的背景に支えられながら進化を続け、現代では様々なシーンで活用されるアイテムとなりました。時代を超えて親しまれる理由は、その自由な印象と高い汎用性にあります。