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アパレル業界におけるキーネックとは?

アパレル業界の分野におけるキーネック(きーねっく、Key Neck、Encolure en goutte)は、首元に鍵穴のような開きがあるデザインのネックラインを指します。このスタイルは、控えめながらもフェミニンで上品な印象を与えるため、ブラウスやワンピースを中心に多く採用されています。クラシカルでありながらトレンドにも対応できる汎用性の高さから、近年は日常着からフォーマルまで幅広く用いられています。



キーネックの形状と特徴

キーネックは、名前のとおり「鍵穴(keyhole)」の形をイメージさせるネックラインです。首元の中心部に、涙型や縦長のスリット状の開きが設けられ、その開きが少し広がっていることで、顔まわりをすっきりと見せる効果があります。一般的には、スリットの上部をボタンやリボンなどで留める仕様になっていることが多く、ディテールとしてのアクセントにもなります。

開き具合によってカジュアルにもエレガントにも表現できるため、着る人の印象をやわらかく見せたいときや、フォーマル感をプラスしたい場面に適しています。袖や裾のデザインと組み合わせることで、より多彩なスタイル展開が可能です。



キーネックの由来と歴史

キーネックの語源は、「鍵穴」を意味する英語「keyhole」に由来します。ファッションにおける「keyhole neckline(キーホールネックライン)」が転じて、日本では「キーネック」として定着しました。

このデザインは、古くは中東やアジア地域の民族衣装にも見られ、首元の開きは着脱の機能と装飾性を兼ねたものでした。20世紀初頭の欧米ファッションでも、フェミニンなディテールとして登場し、特に1950?60年代のヴィンテージドレスによく用いられていました。その後、モダンなデザインにアレンジされながら再評価され、現在ではクラシカルな要素を含んだモードスタイルの一部として人気を集めています。



現在のファッションにおけるキーネックの使われ方

現代のアパレルでは、キーネックは、清潔感と女性らしさを両立するデザインとして注目されています。特にオフィスカジュアルやセレモニースタイルで需要が高く、ブラウス、チュニック、ワンピースに多く取り入れられています。

また、ボタンやメタルパーツで留める仕様が増え、シンプルなデザインにアクセントを加えるディテールとしても機能しています。首元の開きが深すぎず、肌の露出が控えめであるため、幅広い年齢層やTPOに対応できるのも特長です。コンサバティブな場面から華やかなシーンまで、さまざまなスタイルに馴染む汎用性の高さが支持される理由です。



まとめ

キーネックは、鍵穴のような形状のネックラインを持つデザインで、首元にさりげない華やかさと上品さを加える要素です。伝統的な衣装にルーツを持ちつつ、現代のファッションに柔軟に適応してきた背景をもちます。日常着にもフォーマルにも対応する実用性の高さから、多くのブランドやユーザーに愛されているスタイルです。

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