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アパレル業界におけるクレープ素材とは?

アパレル業界の分野におけるクレープ素材(くれーぷそざい、Crepe Fabric、Tissu Cr?pe)とは、生地表面にシボと呼ばれる細かい凹凸や波状のしわがあり、さらりとした肌ざわりと独特のドレープ感を持つテキスタイルの総称です。さまざまな繊維で作られ、フォーマルウェアやワンピース、ブラウス、スカーフなどに使われます。軽やかで落ち感が美しく、上品な印象を与えることから、シーズンを問わず愛されている素材です。



クレープ素材の特徴と魅力

クレープ素材は、生地表面にランダムな凹凸(シボ)があるのが最大の特徴です。この凹凸は、撚り(より)の強い糸や特殊な織り・加工によって作られます。シボによる微細な陰影は、落ち着いた光沢と品のある表情を演出し、フォーマルからカジュアルまで幅広いスタイルに適しています。

さらに、シボによって肌への接地面積が少なくなるため、さらりとした快適な着心地を実現。汗ばむ季節でもベタつきにくく、通気性にも優れているため、夏場のアイテムにも多用されます。また、しわになりにくい点も日常使いにおいて高く評価されています。



クレープ素材の語源と歴史的背景

クレープ素材の語源は、フランス語の「cr?pe(クレープ)」で、「縮れた」「波打った」という意味を持ちます。もともとは喪服や礼装など、重厚で格式ある衣装に用いられていた歴史があります。19世紀ヨーロッパでは、ブラッククレープが喪に服す女性のドレス素材として広まりました。

その後、素材の改良が進み、絹(シルク)以外にもレーヨン、ポリエステル、コットンなど多様な繊維で作られるようになります。軽量で柔らかく、加工しやすいという特性が活かされ、1940年代以降はカジュアルなワンピースやスカーフなどにも使われるようになり、モダンファッションの一部として定着しました。



現代におけるクレープ素材の使われ方

現在のアパレル業界では、クレープ素材は多様なバリエーションで展開され、ドレッシーなドレスやスーツ、ブラウス、パンツにまで幅広く用いられています。中でもシルククレープやポリエステルクレープは、上質な光沢とドレープ性が魅力で、高級感のあるスタイリングに欠かせない存在です。

また、加工技術の進化によりストレッチ性を持たせたクレープも登場し、ビジネスウェアやリゾートウェアにも使われています。着心地の良さと見た目の美しさを両立できるため、機能性とファッション性を兼ね備えた素材として重宝されています。



まとめ

クレープ素材は、シボのある独特な風合いと上品なドレープ感が特徴の生地で、古くは礼服素材として始まり、現在では幅広いアパレルシーンで活躍しています。涼感やしわになりにくい性質から日常着にも適しており、エレガントさを演出したい際にぴったりの選択肢となります。時代とともに進化を遂げ、今後も多様なファッションアイテムに用いられていくことでしょう。

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