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アパレル業界におけるケーブルニットとは?

アパレル業界の分野におけるケーブルニット(けーぶるにっと、Cable Knit、Maille torsad?e)は、縄のように編まれた立体的な模様が特徴的なニット生地を指します。主にセーターやカーディガンに用いられ、温かみのある外観と保温性が魅力です。元々はアイルランドの漁師の作業着として発展した歴史を持ち、現代ではカジュアルからトラッドスタイルまで幅広く取り入れられています。



ケーブルニットの起源と語源について

ケーブルニットの「ケーブル」は英語で「縄」や「ロープ」を意味し、その名の通り縄状に編まれた模様が特徴です。この編み方は、糸を交差させながら立体的に編み上げる技術で、模様には複雑さと美しさがあり、手仕事の温もりを感じさせます。

この技法は19世紀のアイルランド・アラン諸島で誕生し、地元の漁師が着用するセーターに用いられていました。海での厳しい寒さから身を守るために編まれたもので、模様にはそれぞれ漁や安全への願いが込められていたと言われています。



アイルランドから世界へと広がったニット文化

ケーブルニットが世界に広まったのは、20世紀初頭にファッションとして注目されるようになったことがきっかけです。アランセーターと呼ばれるアイルランドの伝統的なセーターは、観光客や輸出市場で人気を博し、イギリスやアメリカのブランドでも模倣・発展が行われました。

特に1950年代以降、ハリウッドスターや王室関係者が着用したことで、一気に一般層にも認知が広がり、トラッドスタイルやアウトドアファッションに定着していきました。厚手で丈夫な性質から、秋冬の定番アイテムとして地位を築いています。



現代におけるケーブルニットの用途とトレンド

現代のアパレル業界では、ケーブルニットは男女問わず幅広いアイテムに用いられています。クラシカルなセーターだけでなく、カーディガン、ベスト、マフラー、帽子などのアクセサリーにも応用され、冬のファッションに欠かせない素材となっています。

また、編み模様の幅や立体感の強弱、カラーの多様性などにより、モダンなアレンジも可能です。ハイブランドからファストファッションまで様々な価格帯で展開されており、レトロな魅力と同時に、ナチュラルかつ洗練された印象を持つスタイルアイテムとして支持を集めています。



まとめ

ケーブルニットは、その縄状の編み模様によって温かみと装飾性を兼ね備えたニット生地です。アイルランドの伝統から始まり、現代ファッションにおいても季節感を演出する重要な要素として使われています。素材やデザインの多様化により、今後もさまざまなスタイルに応用されていくことが期待されます。

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