アパレル業界におけるケリーバッグとは?
アパレル業界の分野におけるケリーバッグ(けりーばっぐ、Kelly Bag、Sac Kelly)は、フランスの高級ブランド・エルメス(Herm?s)が製造するハンドバッグの一種で、クラシカルでエレガントなフォルムが特徴です。元は1930年代に登場した「サック・ア・クロア」が原型であり、1950年代にモナコ公妃となったグレース・ケリーが使用していたことから「ケリーバッグ」と呼ばれるようになりました。今日ではその象徴的なデザインから、ラグジュアリーファッションの代表的アイテムとされています。
ケリーバッグの誕生と名称の由来
ケリーバッグは、フランスの老舗メゾン・エルメスが1935年に発表した「サック・ア・クロア(Sac ? d?p?ches)」が起源です。当初は書類などを収納するための実用的なデザインで、女性向けのフォーマルなバッグとしては一般的な位置づけでした。
そのバッグが一躍有名になったのは、1956年にアメリカ女優でありモナコ公妃のグレース・ケリーが、自身の妊娠中にふくらんだお腹を隠すためにこのバッグを用いたという報道写真が出回ったことに由来します。この写真が世間に大きな話題を呼び、以後「ケリーバッグ」の名で親しまれるようになりました。
特徴とデザインの魅力
ケリーバッグは、台形のかっちりとしたフォルム、堅牢なハンドル、金属のクロア(留め具)付きフラップが特徴です。その構造は、職人による完全なハンドメイドであり、製作には約20?25時間を要します。サイズや素材、カラー展開も豊富で、レザーやエキゾチックレザーなど多彩なバリエーションがあります。
このバッグは単なる収納アイテムではなく、「持つ人のステータスを象徴する存在」として認知されています。クラシカルかつ普遍的なデザインにより、流行に左右されることなく長く愛用されており、コレクションとしての価値も高いと評価されています。
現代におけるケリーバッグの位置づけ
現在でもエルメスの中でも特に人気の高いラインであるケリーバッグは、富裕層を中心に世界中で高い需要があります。エレガントな場面はもちろん、カジュアルスタイルにおいてもアクセントとして取り入れられることが多く、その汎用性も注目されています。
また、資産価値の高いラグジュアリーアイテムとして、リセールマーケットでも高額で取引されている点も特徴です。限定素材や色、ヴィンテージモデルなどはコレクターの間で特に人気があり、一種の投資対象としても見なされています。
まとめ
ケリーバッグは、そのエレガントなデザインと歴史的背景から、アパレル業界において象徴的な存在となっています。グレース・ケリーによって名付けられたこのバッグは、今なお多くの人々に愛され続けており、ラグジュアリーファッションを語る上で欠かせないアイテムのひとつです。