アパレル業界におけるコーデュロイとは?
アパレル業界の分野におけるコーデュロイ(こーでゅろい、Corduroy、Velours c?tel?)とは、縦方向に畝(うね)がある織物で、暖かみと柔らかな肌触りを特徴とする素材です。畝の幅によって印象が変わるため、カジュアルからクラシックまで幅広く使われます。もともとは作業着や子ども服に使われていましたが、現在ではパンツ、ジャケット、スカートなど様々なアイテムに採用され、秋冬の定番素材として親しまれています。
コーデュロイの起源と語源の由来
コーデュロイの素材は、その起源を18世紀のイギリスやフランスに求めることができます。語源については、フランス語の「corde du roi(王の畝)」に由来するという説が広く知られていますが、実際には英語の「cord(畝のある織物)」と「duroy(粗布の一種)」を組み合わせた造語とする説も有力です。いずれにせよ、その語感と見た目から、高級感と実用性を兼ね備えた素材として注目されてきました。
もともとは労働者の作業着や軍服など、耐久性が求められる衣類に使われていましたが、19世紀には上流階級の狩猟用ジャケットにも用いられるようになり、徐々にファッション素材としての地位を築いていきました。
コーデュロイの構造と特徴
コーデュロイの最大の特徴は、縦に走る畝(うね)です。これは経糸(たていと)と緯糸(よこいと)でベースの布を織り、そこにパイル糸(立体的な糸)を織り込んでカットすることで形成されます。畝の幅は「ウェール(wales)」と呼ばれ、1インチ(約2.5cm)あたりの畝の本数で表現されます。
ウェール数が少ない(太畝)のものはカジュアルで温かみのある印象を持ち、逆にウェール数が多い(細畝)のものは上品でスマートな印象になります。さらに、肌触りの良さと保温性の高さにより、秋冬の素材として特に人気があります。
現代におけるコーデュロイの使用例とトレンド
近年では、コーデュロイは性別や年代を問わず幅広く使用されており、パンツやジャケットだけでなく、スカートやワンピース、バッグ、帽子などの小物にも展開されています。カラー展開も豊富で、ベーシックなベージュやブラウンに加え、パステルカラーやビビッドな色も登場しています。
また、ヴィンテージテイストやノームコアといったトレンドとも相性が良く、レトロ感とモダンさを融合したスタイルを実現するための素材として再注目されています。環境配慮型のオーガニックコットンを使ったコーデュロイも登場し、サステナブルな視点からも支持を集めています。
まとめ
コーデュロイは、畝のある独特な風合いと機能性を兼ね備えた素材であり、長年にわたってアパレル業界で愛され続けています。素材の特性やデザインのバリエーションを活かすことで、トレンドに左右されにくい、着回し力のあるファッションアイテムを実現できる点が大きな魅力です。