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アパレル業界におけるコートドレスとは?

アパレル業界の分野におけるコートドレス(こーとどれす、Coat Dress、Robe manteau)とは、コートのようなデザインを取り入れたワンピースのことを指します。前開き仕様やボタン留めのディテールが特徴で、ジャケットのような端正な印象を与える一方で、ワンピースとして一枚で着用できる利便性も兼ね備えています。エレガントでありながら機能的なアイテムとして、フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンで活用されています。



コートドレスの歴史と語源の背景

コートドレスの起源は、18世紀のヨーロッパにさかのぼります。当時の上流階級の女性たちは、乗馬や野外活動用に男性のコートを参考にしたドレススタイルを取り入れ始め、それが「レディス・ライディング・ハビット」として発展していきました。このスタイルは後に改良され、女性らしいシルエットを保ちつつ、コートの構造を取り入れたワンピース「コートドレス」として確立されました。

語源は英語の「Coat(上着)」と「Dress(ドレス)」の複合語であり、見た目はコートのようでありながらドレスとして機能する点が名前の由来となっています。フランス語では「Robe manteau」と呼ばれ、上品で洗練されたイメージがあります。



デザインと特徴、構造上の魅力

コートドレスの主な特徴は、フロントボタンや前開きの構造を持つこと、ウエストのシェイプや裾の広がりによってドレスとしてのエレガントさを保つ点にあります。一般的に、コートとして羽織るのではなく、一枚で完結するワンピースとして設計されています。

生地には比較的しっかりとした素材が選ばれることが多く、シルエットを美しく保ちつつ、凛とした印象を与えます。襟やカフス、ダーツなどテーラリングの技術が活かされていることも多く、ジャケットドレスと似た趣きを持ちながらも、より柔らかくフェミニンな印象を演出できます。



現代におけるコートドレスの使われ方とトレンド

現代においてコートドレスは、フォーマルなシーンでの装いとして人気があります。たとえば、結婚式の参列やレセプションパーティー、オフィシャルな行事などでは、気品ある装いを演出するアイテムとして重宝されています。特にイギリス王室の女性たちが好んで着用していることから、クラシカルで上品な印象が根強くあります。

一方で、近年ではウエストベルトを加えてカジュアルに着こなすスタイルや、軽やかな素材を用いた春夏向けのコートドレスも登場しており、季節やシーンに応じたアレンジがしやすいアイテムとして注目されています。コーディネート次第で印象を変えられるため、ミニマルなワードローブを好む人々からも支持を集めています。



まとめ

コートドレスは、コートの構造とドレスの機能を融合させたアパレルアイテムであり、フォーマルと実用性のバランスが取れた装いを実現します。長い歴史と洗練されたデザイン性を背景に、現代の女性のライフスタイルに寄り添うファッションとして、今後も多様な展開が期待される存在です。

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