ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【コットンリネン】

アパレル業界におけるコットンリネンとは?

アパレル業界の分野におけるコットンリネン(こっとんりねん、Cotton Linen、Coton Lin)は、綿(コットン)と麻(リネン)を一定の比率で混紡した生地を指します。両素材の長所を兼ね備え、通気性吸水性に優れ、軽やかな風合いが特徴です。ナチュラルな質感と耐久性を両立し、春夏の衣料からインテリアファブリックまで幅広く活用されています。



コットンリネンの歴史と語源の背景

コットンリネンのルーツは、古くから栽培されてきた綿と麻という天然繊維の長所を掛け合わせる発想にあります。麻(リネン)は紀元前からヨーロッパやエジプトなどで衣服や寝具に利用されており、耐久性と通気性に優れていました。一方、綿(コットン)はインドや中国で紀元前数千年から栽培されており、吸水性と肌触りの良さで重宝されました。

19世紀後半、産業革命の影響で紡績技術が向上すると、異なる繊維を混紡してそれぞれの特徴を活かす試みが盛んになり、コットンとリネンの混紡もその一環として登場しました。名前の由来は、英語の“Cotton(綿)”と“Linen(麻)”を組み合わせたもので、フランス語では“Coton Lin”と呼ばれます。<コットンリネン>という表記は日本で定着した呼称であり、素材名として広く認知されています。



コットンリネンの特徴と構造上の魅力

コットンリネンは、綿と麻をミックスすることで、各素材の長所を活かしたバランスの良い生地になります。麻由来のシャリ感がさらりとしたドライタッチを生み出し、同時に綿由来の柔らかさが身体に優しいフィット感をもたらします。これにより、汗をかきやすい夏場でも心地よい着心地を維持できることが大きな魅力です。

また、繊維の強度が高いリネンのおかげで、耐久性に優れたアイテムが作りやすく、コットン特有のシワになりやすい欠点を軽減できます。混紡比率はブランドや用途によって異なりますが、一般的にはリネンが30~50%程度、コットンが残りを占める配合が多く、軽やかなドレープ性と程よいハリ感を実現します。

テキスタイルとしては、プレーンウィーブ(平織り)やオックスフォード(綾織り)など多様な織り方が採用され、用途に応じた重さと風合いが調整されます。例えば、薄手のシャツ向けコットンリネンは通気性重視で平織りが多く、一方でパンツやジャケット向けのものはやや厚手の綾織りにして丈夫さと立体感を持たせるケースが一般的です。



現代におけるコットンリネンの使われ方とトレンド

近年では、ナチュラル志向やサステナブルなライフスタイルが注目される中で、コットンリネンはエコフレンドリーな素材として再評価されています。オーガニックコットンや再生リネンを組み合わせたエシカルコットンリネンも登場し、環境負荷を抑えた製品作りが進んでいます。

アパレルでは、春夏シーズンのワンピースやシャツ、パンツ、軽やかなジャケットなどに広く採用されています。シワ感を楽しむリラックスシルエットのデザインが人気で、洗いざらしの風合いを活かした“ウオッシュドコットンリネン”や“ヴィンテージライク”な加工を施したアイテムがトレンドとなっています。また、シャツワンピースやオーバーサイズジャケットなど、ユニセックスで着用できるシンプルなデザインも増えつつあります。

インテリアファブリックとしても、カーテンやクッション、ソファカバーなどにコットンリネンが使われます。麻の通気性と綿の柔らかさを活かし、ナチュラルな質感と温かみがあるインテリアアイテムとして、リビングや寝室に上質な雰囲気をもたらします。特に、日本の気候に適した通気性の良い素材として、夏季のインテリアに取り入れる住宅が増えています。

また、DIYやクラフトの素材としても人気があり、ハンドメイドのバッグやエプロン、テーブルクロスなどが作られています。リネン特有の強度とコットンの扱いやすさを併せ持つため、耐久性を求められるプロダクトにも適しています。



まとめ

コットンリネンは、綿と麻をミックスすることで生まれる、通気性・吸水性・耐久性に優れた万能素材です。歴史的には19世紀以降の紡績技術の進化とともに発展し、現代ではエシカル素材としても注目されています。アパレルでは春夏の衣料からユニセックスアイテム、インテリアファブリックやDIY素材まで幅広く活用され、自然素材の風合いと快適性を両立する存在として今後も需要が拡大すると期待されています。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス