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アパレル業界におけるコーデセットアップとは?

アパレル業界の分野におけるコーデセットアップ(こーですえっとあっぷ、Coordinate Setup、Ensemble coordonn?)とは、トップスとボトムス、あるいはアウターなどを同素材・同デザインで統一し、あらかじめセット化したアイテムを指します。着こなしの手間を省きつつ、統一感のあるスタイルを容易に演出できる点が特徴です。



コーデセットアップの歴史と語源の背景

コーデセットアップという言葉は、英語の“Coordinate”と“Setup”を組み合わせた和製英語に由来します。フランス語では“Ensemble coordonn?”と呼ばれ、もともとは1960年代以降に欧米で“matching set”や“co-ord”と称されていたコンセプトが、日本のアパレル市場に浸透する際に独自に命名されました。90年代後半から2000年代初頭にかけて、雑誌やブランドキャンペーンで“コーデセットアップ”という表現が広まり、ファッション用語として定着しました。



コーデセットアップのデザインと特徴、構造上の魅力

コーデセットアップの最大の魅力は、上下のアイテムを同じ素材や柄、配色で揃えているため、組み合わせに迷わずにバランスの取れたスタイリングが完成する点です。具体的には、同一のリブニット生地を用いたセットアップや、シルクの光沢を生かしたワンピース風セットなど、シームレスな統一感が表現できます。縫製上は、トップスとボトムスを別々に生産しつつ、共通のパターン設計を採用することで、細部までバランスを最適化しています。

また、セットアップ専用にパターンを引くことで、ウエストやヒップのフィット感を合わせやすくし、上下セパレートながらまるでワンピースのように着用できるデザインもあります。さらに、素材選びではストレッチ性の高いポンチやストレッチデニム、トリアセテート混紡などを使い、動きやすさと上品さを両立。機能性と美的統一性を高い次元で両立できることが、コーデセットアップの最大の長所です。



現代におけるコーデセットアップの使われ方とトレンド

現在ではレディースだけでなく、メンズラインやジェンダーレスコレクションにおいてもコーデセットアップが多く見られます。特にストリート系ブランドでは、同色のスウェットセットアップやスリムパンツ×オーバーサイズシャツのセットなど、カジュアルかつ統一感のある着こなしが若年層に人気です。スーツ代わりにセットアップを採用するビジネスカジュアルも増え、オンオフ問わず活用できる汎用性が評価されています。

また、サステナブルやエシカルが重視される現代では、リサイクル素材やオーガニック素材で作られたコーデセットアップが注目されています。たとえば、ペットボトル再生ポリエステルを用いたジャケットとパンツのセットや、オーガニックコットンを使ったシャツ+ショーツのセットアップなど、環境負荷を抑えつつ上質なルックを実現するアイテムが次々と登場しています。

さらに、オンラインショッピングの普及に伴い、着回し提案としてセットアップを販売するECサイトやSNS投稿が増加中です。トップスのみ、ボトムスのみの単品販売と比べて、セットで購入することで割引特典が得られるケースも多く、消費者にとってコストパフォーマンスが高い購入方法として支持を集めています。



まとめ

コーデセットアップは、同素材・同デザインの複数アイテムをセット化し、統一感のあるスタイリングを手軽に実現するアイテムです。起源は欧米の“matching set”文化で、日本では90年代以降に定着。現在ではカジュアルからビジネスまで幅広いシーンで活用され、サステナブル素材やオンライン販売戦略にも対応する、アパレル業界における重要なコンセプトとして進化を続けています。

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