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アパレル業界におけるコモノ(小物)とは?

アパレル業界の分野におけるコモノ(小物)(こもの、Accessories、Accessoires)とは、洋服以外のバッグやベルト、帽子、ストール、アクセサリーなどを指し、コーディネートの
仕上げに欠かせないアイテム群です。スタイリングのアクセント機能性を担い、季節やトレンドに応じた素材やデザインの多様化が進んでいます。



コモノ(小物)の特徴と役割

コモノ(小物)は、衣料品そのものではなく、コーディネートを完成させる装飾や機能を持つアイテムを指します。具体的には、バッグ、ベルト、帽子、ストール、マフラー、スカーフ、アクセサリー(ネックレス・ブレスレット・イヤリングなど)、靴下、手袋、シューズクリップ、さらにはタイピンやカフスボタンなど、細かいディテールに該当するあらゆるものが含まれます。

これらのアイテムは着用者の個性やスタイルを強調し、同じ洋服でも異なる雰囲気を演出できる点が大きな特徴です。たとえば、シンプルなワンピースに対してビビッドカラーのバッグを合わせればポップな印象になり、レザーベルトをプラスすれば引き締まったモード感を加えることができます。また、季節に応じた素材選びや柄使いによって、シーズナルなコーディネートの表現も可能です。



コモノ(小物)の由来と歴史的背景

コモノ(小物)という言葉自体は、「小さなもの」を意味する日本語の「小物」から派生し、アパレルでは特に「服以外の装飾・実用品」を指すようになりました。欧米では古くからバッグや帽子、靴、手袋などが独立した職人やメゾンによって作られ、18世紀末~19世紀にかけてファッション産業が発展する中で、アクセサリー市場が成長しました。

日本のアパレル業界では戦後まもなく洋装文化が浸透し、1960~70年代には百貨店や専門店で「コモノコーナー」が設置されるほど重要視されるようになりました。洋服を単に購入するだけでなく、コーディネート全体を売り込むために小物の展開が強化され、バッグやベルト、スカーフ、アクセサリーがセット販売されるようになりました。80年代以降、トレンド性とブランドアイデンティティを打ち出すために、コレクションラインとは別にコモノ専用のルックブックやキャンペーンが展開されることが定着しました。



現代のファッションにおけるコモノ(小物)の使われ方

現在のアパレル業界では、コモノ(小物)は季節やトレンドだけでなく、サステナビリティ機能性を重視して多様化しています。たとえば、ヴィーガンレザーやリサイクル素材を使ったバッグ、抗菌・防臭加工を施したソックスやマスク、UVカット機能を持つストールなどが登場し、消費者のニーズに応えています。

また、ミニマリストやジェンダーレスといったライフスタイルの潮流を反映し、ユニセックスで使えるシンプルなデザインのベルトやネックレス、モジュラー式でパーツを付け替え可能なバッグなど、多機能かつ長く使えるアイテムが注目されています。これにより、1つのコモノを複数のスタイルに応用でき、消費行動をスマートにする動きが広がっています。

さらに、SNSやオンライン販売の普及に伴い、コーディネート提案の中で小物を強調する手法が増加。ブランドは小物を単品販売するだけでなく、ルック画像や動画を通じて「○○アイテムと組み合わせると映える」といった具体的な使い方を発信し、購買意欲を刺激しています。インフルエンサーやクリエイターとのコラボレーション企画も盛んで、小物がブランドのアイデンティティや世界観を伝える重要なツールとなっています。



まとめ

コモノ(小物)は、バッグやベルト、帽子、アクセサリーなど、洋服以外のアイテムを総称する言葉です。コーディネートに個性や機能性を付加し、季節やトレンドに合わせた素材やデザインが展開されます。歴史的には洋装文化の発展とともに独立したカテゴリとして成長し、現代ではサステナブルやジェンダーレスといった潮流と融合しながら、コーディネートの要となる重要なポジションを占めています。

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