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アパレル業界におけるサイドスリットとは?

アパレル業界の分野におけるサイドスリット(さいどすりっと、Side Slit、Fente lat?rale)とは、スカートやワンピース、パンツなどの衣類側面に縦に入れられた切り込みのことです。歩行や座り動作の可動域を確保しつつ、シルエットに軽やかな抜け感モード性を与えるデザイン要素として幅広く用いられています。



サイドスリットの特徴とデザイン的役割

サイドスリットは、衣類の両脇または片側に縦に切り込みを入れ、裾から数センチから数十センチ程度の長さを持たせるデザインです。動きやすさを向上させるだけでなく、着用時に歩幅や座ったときの裾のモタつきを抑えられます。その結果、ボディラインをしっかり見せながらも快適性を犠牲にしないシルエットが完成し、モダンでスタイリッシュな印象を生み出します。

さらに、サイドスリットは視覚的にも縦のラインを強調し、脚長効果や全体の軽やかさを演出。スリットの深さや位置によっては、歩くたびに足がチラリと見え、セクシーさや抜け感をプラスできます。長めのロングスカートに浅めのスリットを入れると上品な印象になる一方、ミディ丈に深めのスリットを入れればアクティブなイメージとなり、用途やシーンに合わせた多彩な表現が可能です。



サイドスリットの由来と歴史的背景

サイドスリットが最初に登場したのは20世紀初頭の女性用スカートにおいて、動きやすさを改善する目的からでした。1910年代~1920年代、女性の社会進出やスポーツウェアの普及により、長く重たいロングスカートでは歩行や自転車乗車が困難になっていきました。その流れで、裾の一部を開放するスリット構造が取り入れられ、実用性を兼ね備えたファッションが生まれました。

1940年代以降、素材の改良や製造技術の向上により、ストレッチ性のある布帛やニットが開発されると、スリットはより多様なシルエットに応用されるようになりました。1960年代~70年代のモダンファッションでは、ミニスカートやタイトスカートにサイドスリットを入れ、当時のフェミニンかつ自由な動きを体現するデザインとして注目され、モード界の定番ディテールとして定着しました。



現代のファッションにおけるサイドスリットの使われ方

現代では、サイドスリットはロングスカートやミディスカート、ドレスだけでなく、パンツやニットトップス、さらにはデザインジャケットやロングカーディガンにも広く取り入れられています。スリットの深さや幅を変えることで、フォーマルからカジュアル、ストリートまであらゆるスタイルに応用できる点が魅力です。

特に、タイトパンツやワイドパンツでは裾にスリットを入れることで、足元の動きをスムーズにしつつ、ブーツやヒールとのレイヤードを楽しめるようになります。また、ニットワンピースにサイドスリットを加えると、足さばきが楽になるだけでなく、着用者の脚のラインをさりげなく見せることで、一枚でも華やかな印象を与えます。

さらに、昨今のサステナブルファッションでは、古着の再構築やリメイクアイテムにサイドスリットを加え、新たな表情を生む取り組みも見られます。スリットの位置を工夫して、リサイクルデニムのジーンズにクリーンなスリットを入れることで、モダンかつエコフレンドリーなデザインを実現しています。



まとめ

サイドスリットは、衣類の側面に縦の切り込みを入れることで動きやすさとシルエットの美しさを両立させるデザイン要素です。20世紀初頭の実用的な目的から始まり、モダンファッションの定番ディテールとして進化し続けています。現在では多様なアイテムに応用され、快適性・抜け感・モード性を与える重要なファッションディテールとなっています。

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