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アパレル業界におけるサファリジャケットとは?

アパレル業界の分野におけるサファリジャケット(さふぁりじゃけっと、Safari Jacket、Veste safari)とは、撥水性や通気性に優れたコットン・ツイル生地を用い、胸元と腰にパッチポケットを備え、ウエストにベルトが付属する野外用ジャケットです。機能性ミリタリーテイストを両立し、狩猟や探検など屋外活動を想定したディテールが特徴です。



サファリジャケットの特徴とデザイン的役割

サファリジャケットは、通常コットンやコットン混紡のツイル生地を用い、撥水・通気性を兼ね備えています。胸元と腰に四つのパッチポケットを配し、それぞれにフラップ(蓋)が付属することで、収納性視覚的なアクセントを与えます。また、ウエストには同素材のベルトが通され、着用時にシルエットを調整することでフィット感とメリハリを確保します。襟はスタンドカラーかノッチドラペル(切り込み襟)が基本で、襟を立てることで日差しから首元を守る機能があります。

サファリジャケットの丈は腰からヒップあたりが一般的で、動きやすさを重視しつつ洗練されたワークウェア感を演出。袖はラグランスリーブやセットインスリーブが用いられ、腕の可動域を確保しながらタイトすぎないシルエットを実現します。縫製にはダブルステッチやリベットが要所に使われ、耐久性とミリタリーテイストを強調しています。



サファリジャケットの由来と歴史的背景

サファリジャケットの起源は19世紀末から20世紀初頭にかけて、イギリス植民地時代のアフリカ探検や狩猟活動に用いられた実用的な探検着に遡ります。当時の英国人探検家たちは、炎天下やジャングルでの活動に適した軽量で耐久性のあるコットンツイルを採用し、胸部や腰部に弾薬や地図、食料を収納できるポケットを配置しました。ウエストに備えたベルトは、弾帯や装備品を引っ掛けるために活用されました。

1920~30年代にかけて、探検家や軍人が着用する姿が写真や映画で紹介されると、ミリタリーやアドベンチャーの象徴として注目を集めました。特に第二次世界大戦後、ヴィンテージミリタリーウェアがファッションアイテムとして輸入されるようになり、サファリジャケットもワークウェアやカジュアルウェアとして浸透しました。1950年代にはハリウッド映画で俳優が着用したことで、そのアイコニックなデザインが一気に世界中に広まりました。



現代のファッションにおけるサファリジャケットの使われ方

現代では、サファリジャケットはユニセックスで取り入れられる定番アイテムとして定着しています。ミリタリーアウトドアテイストをミックスした上質なコットンやヘビーリネン、コーデュロイなど多様な素材が使われ、春秋のライトアウターから冬のレイヤードアイテムとしても活躍します。

デザイン面では、オリジナルのベージュやカーキの他、ブラック、ネイビー、オリーブグリーンといったミリタリーカラーパレットが展開されます。ボトムスにはチノパンツやデニム、カーゴパンツを合わせて、カジュアルかつタフな雰囲気を演出。女性向けにはウエストベルトをタイトに締め、スカートやワイドパンツと合わせてモダンなシルエットを楽しむスタイリングも人気です。

近年は、サステナビリティ意識の高まりから、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルを使用したエコサファリジャケットも登場。環境負荷を抑えた素材を用いながら、伝統的なディテールを保ったアイテムが支持されています。また、デジタルプリントによるカモフラージュ柄や最新の技術を駆使した防水・防風機能を備えたモデルも増え、機能とファッション性を両立させる動きが進んでいます。

ブランドアイデンティティを示すために、胸ポケットのフラップに刺繍ロゴや金属製ボタンを配し、アイコニックなディテールとするケースも多く見られます。これにより、サファリジャケットはただのアウトドアギアではなく、都市生活でも映えるライフスタイルアイテムとして進化しています。



まとめ

サファリジャケットは、探検用の実用的なジャケットをルーツとし、胸元と腰にポケットを配し、ウエストベルトを備えた機能的なデザインが特徴です。ミリタリーアウトドアテイストを融合しつつ、ファッションとしても高い汎用性を持つアイテムです。現代では多様な素材とサステナブルなアプローチで進化し、機能性と上質感を兼ね備えたライフスタイルアイコンとして愛されています。

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