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アパレル業界におけるサロペットとは?

アパレル業界の分野におけるサロペット(さろぺっと、Salopette、Salopette)とは、胸当てと肩ひもが付いたオーバーオール型のボトムスを指します。ウエスト部分がゆったりとしたシルエットで、動きやすさリラックス感を兼ね備え、カジュアルからモードまで幅広いスタイリングに対応するアイテムです。



サロペットの特徴とデザイン的役割

サロペットは、胸当て部分(ビブ)とショルダーストラップで上半身とつながるデザインが特徴です。ウエストからヒップにかけてゆとりを持たせ、裾に向かってテーパードするものや、ワイドシルエットでストレートに落ちるものなど、シルエットにバリエーションがあります。パンツ部分にはポケットが多く配置され、機能性アクセントを両立します。

素材はデニムやキャンバスなどのコットン地が主流で、丈夫さヴィンテージ感を演出しますが、リネンやレーヨン、ツイルなど軽やかな素材を用いた夏向けモデルも増えています。ストラップはボタンやバックルで長さを調整できるため、着用者に合わせたフィットを実現。胸当てにはブランドロゴやパッチを配し、アイコンディテールとして機能することもあります。



サロペットの由来と歴史的背景

サロペットの発祥は19世紀末のフランスで、作業着として労働者に着用されていた「Salopette」に由来します。当時、工場作業や農作業、機械整備などの際に汚れを防ぎつつ動きやすい服装が必要となり、胸当て付きのオーバーオールが採用されました。英語圏では「Overalls」と呼ばれますが、フランス語圏の呼称「Salopette」がそのままアイテム名となりました。

20世紀半ばには、労働者のユニフォームとしてだけでなく、アメリカのミリタリーパンツをルーツとするデザインが注目され、ヴィンテージワークウェアとしてファッションアイテムに昇華しました。1960~70年代のヒッピームーブメントやカウンターカルチャーの影響で、自由なルーズシルエットを持つサロペットがストリートに浸透。デザイナーたちもデニムやキャンバス生地をアレンジし、モードとワークの融合を図りました。



現代のファッションにおけるサロペットの使われ方

現代では、サロペットはジェンダーレスアイテムとしても注目され、ユニセックスデザインが増加しています。オーバーサイズのサロペットは、ルーズなトップスやTシャツと合わせてストリートカジュアルを強調し、ワークブーツやスニーカーを合わせて動きやすさを確保します。逆に、スリムフィットのデニムサロペットは、タイトなニットやブラウスと組み合わせ、フェミニンミックスのスタイルを楽しむことができます。

素材面では、春夏向けにリネンやコットンリネン混紡の涼しげなサロペットが人気です。透け感のあるトップスとレイヤードし、リゾートカジュアルを演出。また、秋冬にはコーデュロイウール混素材で保温性を確保しつつ、ストラップ部分にレザーを取り入れるなど素材ミックスで高級感をプラスしたアイテムが登場しています。

さらに、サステナブルなムーブメントに呼応し、サロペットでもオーガニックコットンリサイクルポリエステルを使用したエコフレンドリーなモデルが増加中です。これにより、環境に配慮したワークウェアとしての側面が強調され、エシカル消費を意識する層にも支持されています。



まとめ

サロペットは、19世紀末のフランス発祥の作業着をルーツとし、ヒップまわりにゆとりを持たせた独特のシルエットが特徴です。現代ではカジュアルからモード、リゾートからワークウェアまで、素材・シルエット・機能性の進化を遂げ、ジェンダーレスサステナブル志向にも対応する万能アイテムとして、アパレル業界で広く活用されています。

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