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アパレル業界におけるサーマル素材とは?

アパレル業界の分野におけるサーマル素材(さーまるそざい、Thermal Material、Mat?riau thermique)とは、ワッフル織りやハニカム構造など、空気を含むことで保温性を高めるニット素材を指します。肌面に凹凸を持たせることで、通気性と保温性を両立し、インナーウェアからアウターまで幅広く活用されます。アウトドアや肌寒い季節のベースレイヤーとして重宝される定番素材です。



サーマル素材の構造と特徴

サーマル素材は、一般的にワッフル織りやハニカム(蜂の巣)構造の編み地を持ち、表面と裏面に凹凸が形成されています。凹凸に囲まれた空間が体温を閉じ込め、保温性を確保すると同時に、凹凸部分が肌との間に空気層を生み出し、通気性と速乾性を高めます。結果として、汗をかいても蒸れにくく、体温調節をサポートする機能性素材となっています。

素材構成は、コットンやポリエステル、テンセル混紡などが多く、天然繊維の吸湿性化学繊維の速乾性を組み合わせたものが主流です。薄手でも適度な厚みがあるため、インナーとして着膨れしにくい点も特長です。また、伸縮性を持たせることで着心地を向上させるとともに、フィット感を高めることで冷気の侵入を防ぎます。



サーマル素材の歴史と言葉の由来

サーマル素材の起源は、20世紀前半のワークウェアやアンダーウェアから始まります。特に第二次世界大戦中、アメリカ陸軍は低温環境下での兵士の体温維持を目的にワッフル編みのアンダーシャツを開発しました。この構造はThermal Underwearと呼ばれ、その後一般キャンプやアウトドア愛好者にも広まりました。

日本では1960~70年代に登山ブームが到来すると共に、登山用インナー素材として輸入・製造が始まりました。語源は英語の“Thermal”からで、フランス語では“Mat?riau thermique”と称されます。以来、空気層を利用した素材構造として、アウトドアのみならず日常使いのカジュアルウェアにも浸透しています。



サーマル素材の現在の使われ方とトレンド

現代では、サーマル素材は主にベースレイヤーやインナーシャツ、ロングスリーブTシャツ、レギンスなどの肌着・アンダーウェアに用いられます。アパレルブランドでは、アウトドアラインだけでなく、ストリートカジュアルワークウェアにも採用され、シームレス縫製やフラットロック仕上げを施したストレスフリーなアイテムが登場しています。

最近では、サステナブル志向の高まりにより、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルを使用したエコフレンドリーなサーマル素材が注目されています。これにより、環境負荷の低減高機能性を両立させたアイテムが市場に増加中です。また、コロナ禍以降の外出減少に伴い、部屋着やリラックスウェアとしてのサーマル素材シャツやパンツが人気を博しています。

さらに、サーマル素材は< span class='marker'>レイヤードコーディネートのベースとして重宝され、シャツやセーター、ジャケットの下に重ねることで、見た目と機能性を両立させるスタイルが定番化しています。カラーバリエーション柄(ワッフル目の違い)を工夫して、アクセントアイテムとして取り入れるコーディネートが増加しています。



まとめ

サーマル素材は、ワッフル織りやハニカム構造により保温性・通気性・速乾性を兼ね備えた素材です。第二次世界大戦中の米軍アンダーウェアに始まり、登山・アウトドア愛好家、さらには日常のカジュアルウェアまで幅広く普及しました。現在は、サステナブル素材やシームレス縫製を取り入れた高機能アイテムがトレンドとなり、快適性と環境配慮を両立させる素材として、ますます注目されています。

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