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アパレル業界におけるサイドプリーツとは?

アパレル業界の分野におけるサイドプリーツ(さいどぷりーつ、Side Pleats、Plis lat?raux)とは、スカートやパンツなどの側面に縦方向の折り目を入れたデザインを指します。サイド部分に配置されたプリーツにより、動きに合わせた立体的な揺れ感シルエットの広がりを演出しながら、腰まわりのフィット感を保つ機能性も兼ね備えています。近年では、動きやすさとエレガントさを両立するデザインとして人気が高まっています。



サイドプリーツの特徴とデザイン的役割

サイドプリーツは、スカートやパンツの両脇、あるいは腰まわりから裾にかけて縦に折り目(プリーツ)を施すことで構成されるデザインです。折り目が開閉しやすい位置に配置されるため、歩行や座り動作の際に裾が大きく動き、優雅な揺れ感と立体的なフォルムが生まれます。一方で、前面や背面はフラットな状態を維持できるため、腰まわりのフィット感を損なわずにすっきりと見せることが可能です。

デザイン上、サイドプリーツは通常の全周プリーツスカートよりも軽やかさと動きやすさを重視したアプローチとして用いられます。プリーツの深さや幅、素材の厚みを調整することで、ソフトなドレープからメリハリのあるシルエットまで多彩な表情を演出できます。特にウエストからヒップにかけてタイトに設計し、プリーツ部分のみ広がるようにすることで、脚長効果を引き立てる効果も期待できます。



サイドプリーツの由来と歴史的背景

サイドプリーツの起源は、20世紀前半の欧米のテーラリング技術にあります。機能性を重視したワークウェアスポーツウェアに見られた「マチ(ガセット)使い」が、フリースペースを確保する目的で側面に折り目や布の切り替えを取り入れたことがルーツとされます。1960~70年代のモダンサイジングブームで、動きやすさを保持したままドレッシーな印象を与えるプリーツディテールが注目され、サイドプリーツとしてファッションに応用されるようになりました。

日本ではバブル期(1980年代後半~1990年代初頭)にハイブランドのコレクションでサイドプリーツスカートが取り入れられ、シャープなスーツスタイルオフィスカジュアルのアイテムとして普及しました。その後も素材技術と縫製技術の進化により、軽量ポリエステルやウール混ツイードなど、季節やシーンに応じた多様なサイドプリーツアイテムが登場しています。



現代のファッションにおけるサイドプリーツの使われ方

現代では、サイドプリーツはスカートのみならずパンツやワンピース、さらにはジャケットのサイドパネルにも採用され、モードからカジュアルまで幅広いスタイルで見かけるようになりました。たとえば、ウエストから膝下までタイトフィットし、膝下から裾に向かってプリーツが開くミディスカートは、エレガントな動きやすさを両立します。パンツでは、サイドにプリーツを配したワイドパンツが注目され、リラックスシルエット洗練された印象を演出します。

素材面では、軽量ポリエステルトリアセテート混シアーな生地を使用したサイドプリーツアイテムが定番化し、春夏シーズンにおいては涼感と動きやすさを提供します。一方で、秋冬向けにはウール混ツイードコーデュロイで保温性と構築的なシルエットを両立させたサイドプリーツアイテムが登場し、高級感と実用性を兼ね備えたコーディネートを実現します。

また、サステナブルファッションの流れを受けて、リサイクルポリエステルオーガニックコットンを使用したサイドプリーツアイテムも増加中です。これにより、環境配慮とデザイン性を両立し、エシカルなワードローブを志向する消費者から支持を得ています。さらに、デジタルプリントを施したサイドプリーツは、柄が動く度に浮かび上がる視覚効果が楽しまれており、個性的な表現が可能です。



まとめ

<サイドプリーツは、スカートやパンツの側面に縦方向のプリーツを設けることで、動きに合わせた立体的な揺れ感とシルエットの美しさを生み出すデザインディテールです。20世紀前半のワークウェアやスポーツウェアを起源とし、1960~70年代にファッション化、バブル期から現在に至るまで進化を続けています。軽量素材からウール混まで多彩な素材選択が可能であり、エレガントからカジュアル、サステナブルまで幅広いシーンで活用されています。今後も多様な表現を生み出すキーディテールとして注目され続けるでしょう。

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